「一座の建立」という言葉がある。
複数以上の人が集まれば、一座となり、その座を佳きものと立て舞うことを目指す言葉だと私は受け取る。
室町時代の連歌師、牡丹花肖柏(ぼたんかしょうはく)さんは、一座の建立を志す客人ぶりとして避けるべき雑談を、
「我が仏、隣の宝、聟舅、天下の軍(いくさ)、人の善悪」であるといった。
つまり、自分と違う人の立場によれば、いやな思いや誤解をさせる可能性のあることを、ぺらぺらと喋るなということだ。
いたるところ、主あり客あり一座あり。
格調高い一座の建立を成せば、それは又逢いたい人、また行きたい処として、心に刻まれる。
やよい3月いたるところ 桜花あり。