その木は自分を火だと思っていた。
生まれたときから自分は燃えていると信じ込んでいた。
お前は火じゃないんだ木なんだよ、といくらまわりの木に言われても頑として受けつかなかった。
へんなやつ。やがてその木はそうよばれるようになった。
ある日一閃の稲妻がその木に火柱を立てた。
その木は目覚めた。僕は火じゃない、木だったんだと火だと思っていたその木は気付いた。
しかし逆にその木以外のみんなはその様子を見て、あいつはやっぱり火だったとささやくようになった。
・・・。
こういうこと、なんていいましたっけ?
そうそう。「ひきこもごも」と申します。