身を捨ててこそ浮かぶ瀬もある橡の実よ
橡に限らず、硬い殻を持つものは、齧歯類や鳥類などに殻を割ってもらってこそ、実が大地に根付くことができます。
運悪く川に落ちてしまったものは沈み朽ち果てるしかありませんが、早瀬で石などに擦られ殻を捨てることができたなら、その実は浮かび岸に打ち寄せられて芽を吹くことができます。
転じて、悪い境遇に落ち込んでも、嘆き悲しむ必要はなく、今まで自分を守ってきたものを捨てるぐらいの思い切りでやっていけば、なんとかなる。
こともあるということでしょう。
つまり、身は捨てても実を取る生き方であります。