バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

続きは見たいような、見たくないような

2008-08-29 12:10:48 | ライフスタイル
 嵐の前の静けさといったところなのか。
 昨晩、野田市にも土砂崩れ警報が発令されていたが、今は雨は上がり、蝉が鳴いている。
 何となく不安な夜を過ごし、さらにこれまでの夏の疲れが一気に出たのか朝から調子が悪く、朝方いつまでも疲れる夢を見ていた。
 観客席がない薄暗いぎゅうずめの体育館で娘の試合を見ていた。途中ガットが何度か切れ、細かいアクシデントがあり、思いのほか長い試合となってしまった。いつのまにか試合しているのは自分に変わっていた。そしてコート内に太い石の柱がそびえていて、それをよけながら打ち合うという、なんともはねつき的な試合展開に変わっていた。それがその日の最後の試合で、終了と同時にあたふたと皆で荷物をまとめ大急ぎで出口に向かった。出口は大混雑し、少しずつしか前へ進まない。外は土砂降りらしく、人混みで蒸れ足場は悪く最悪状態。ぎゅーぎゅー人に押されるうち、みんなとはぐれ、知らない人の中でもみくちゃになりながら流されていた。すると突然、今まですしずめ状態だった空間は電車内に変わり、なぜかその電車が後ろに走り始めた。「ただ今出口が混雑していますから、少々お待ち下さい」と粘っこい声の車内アナウンスが入る。「何で後ろに進むの!」と聞き慣れたMさんの声が斜め後ろでするから、みんなそのあたりにいるんだなとわかる。右手でバッグと一緒に持っていたシューズが、手から離れ落ちた。電車は少し、ほんの少し前進する。両脇の人は電車の椅子に座り、うつむいている。髪の長い女の人は、バッグから手鏡だして化粧をチェックしている。重心が後ろにいっているから、車両後方は人に潰されて悲惨な状態なんだろうなと思う。少し進んでは、長いことじっと動かない。もうこうなったら人にもたれていよう。そのうち何とかなるからと思い始める。
 人間の心理はおもしろいもので、もうどうでもいいと思い始めたら、少し前へ進むとプラスの波が体に流れるのがわかる。前へ進む次の機会を体が心待ちしている。
 その時ポケットから電話の音が響き、全員の迷惑そうな視線が注がれる。音はどんどん大きくなり、出口につかずして、この車内から私だけ解放された。
 ニュースでは洪水の被害を流し、今後も注意が必要と呼びかけ続けているが、外は夏の日差しが戻り、蝉は一層元気よく鳴いている。本当に嵐の前の静けさなのか。