毎月バネで保護者向きに配布しているプリント。今日は5月号のプリントのコラム(一部修正)を載せちゃいます。
【5月号 バネ通信より】
人生後半に向かっていますから、自分が残すものを意識して生きています。
国際交流の苦手な日本人です。最近は、特にビジネスにおいて中国をはじめとしたアジア諸国に「してやられた」感が漂う日本です。彼らには「常識が通用しない」と背を向けて気を吐くのが精一杯で、負け組日本の言い訳やごまめの歯ぎしりばかりが聞こえてきます。そこで大人達はよってたかって、今中国で最も知名度が高いという加藤さんという若者からこの危機的状況を抜け出す方策を探ろうとしています。その彼からの日本人への提言は、「言葉の力」を身につけよ、でした。対中国であれば、中国語、最低でも英語を堪能に使えること、これに尽きると。
これができれば話は簡単だ、と思うし、それだけじゃだめだろうとも思います。
日本は共通文化と単一言語の国ですから、国内では多くを語らずとも通じ合えます。むしろ我々にとっては多弁であるよりも、以心伝心が美徳であります。しかしこのような生活感を持つ国は世界に類が無く、これが日本人の国際交流下手の一因となっています。私は日本文化否定論を語るつもりはありません。むしろ日本の美徳こそが、世界に誇る価値観だと思っております。ただ気になって仕方ないことがあります。それは、近年日本人同士において、「以心伝心」で通用しなくなっているということです。価値観が多様化し、さらに短いスパンで人々の考え方や生活スタイルが変化しています。それにより価値観の世代間格差が広がり、また共通文化を共有する世代の幅がどんどん狭くなっています。日本人の中の共通の価値観の輪郭線が急速ににじんできているのです。だから日本人同士においても、語らないと通じ合えないことが多くなったのです。にもかかわらず、我々は永年に亘り語らない文化で生きてきたので、コミュニケーション能力が欠落したままです。今突然語り合えと言われても、語れないのが現状です。
語ることも、論理的に考えることも苦手な国民は、相手を説得することも、相手の言い分に耳を傾けることも苦手です。ここなんです、問題は。海外に目を向ける前に、まず日本語で考え、意見し、全体調和を図るコミュニケーション能力。
バネとして、今後日本復興を託す若者に何かできることがあるとしたら、それは読み書きトレーニングを通じて子ども達のコミュニケーション能力を育てるということです。バネが手をさしのべることのできる子どもの数はわずかです。しかし何もしないよりは良いと思います。縁あってバネの扉をくぐった子どもには、すべきと思う事を成す。
それがバネのパンセです。
【5月号 バネ通信より】
人生後半に向かっていますから、自分が残すものを意識して生きています。
国際交流の苦手な日本人です。最近は、特にビジネスにおいて中国をはじめとしたアジア諸国に「してやられた」感が漂う日本です。彼らには「常識が通用しない」と背を向けて気を吐くのが精一杯で、負け組日本の言い訳やごまめの歯ぎしりばかりが聞こえてきます。そこで大人達はよってたかって、今中国で最も知名度が高いという加藤さんという若者からこの危機的状況を抜け出す方策を探ろうとしています。その彼からの日本人への提言は、「言葉の力」を身につけよ、でした。対中国であれば、中国語、最低でも英語を堪能に使えること、これに尽きると。
これができれば話は簡単だ、と思うし、それだけじゃだめだろうとも思います。
日本は共通文化と単一言語の国ですから、国内では多くを語らずとも通じ合えます。むしろ我々にとっては多弁であるよりも、以心伝心が美徳であります。しかしこのような生活感を持つ国は世界に類が無く、これが日本人の国際交流下手の一因となっています。私は日本文化否定論を語るつもりはありません。むしろ日本の美徳こそが、世界に誇る価値観だと思っております。ただ気になって仕方ないことがあります。それは、近年日本人同士において、「以心伝心」で通用しなくなっているということです。価値観が多様化し、さらに短いスパンで人々の考え方や生活スタイルが変化しています。それにより価値観の世代間格差が広がり、また共通文化を共有する世代の幅がどんどん狭くなっています。日本人の中の共通の価値観の輪郭線が急速ににじんできているのです。だから日本人同士においても、語らないと通じ合えないことが多くなったのです。にもかかわらず、我々は永年に亘り語らない文化で生きてきたので、コミュニケーション能力が欠落したままです。今突然語り合えと言われても、語れないのが現状です。
語ることも、論理的に考えることも苦手な国民は、相手を説得することも、相手の言い分に耳を傾けることも苦手です。ここなんです、問題は。海外に目を向ける前に、まず日本語で考え、意見し、全体調和を図るコミュニケーション能力。
バネとして、今後日本復興を託す若者に何かできることがあるとしたら、それは読み書きトレーニングを通じて子ども達のコミュニケーション能力を育てるということです。バネが手をさしのべることのできる子どもの数はわずかです。しかし何もしないよりは良いと思います。縁あってバネの扉をくぐった子どもには、すべきと思う事を成す。
それがバネのパンセです。