最近の気候は、昔と違い極端で、いままでの経験が役に立たないのではなく、予想以上になってしまっているので、より注意が必要なのかもしれません。これ以上酷くならないことを祈ります。
ほぼ、2年前に一度修理した車両で、今回は、車検と整備です。外装から外しますが、あまり乗られていないので、各部腐食が進んでいましたので、できる限り錆止めを行いました。入庫時ですが、前後空気圧抜けていました。
車体の振れに関してのご相談がありましたので、シートレール補強ユニットを装着しました。イグニッションリレーキットは、2年前に装着済みです。リアバンクのプラグコードですが、バッテリー脱着時に緩みが出たようです。
フロントフォークのエア圧ですが、ほぼ抜けていたので、標準(0.4)に戻しました。
バッテリー脱着時に、ブリーザーホースが抜けたようです。リアバンクのプラグコードは、一旦外し、少し切断し、新しい断面を出し、再装着です。装着時は、奥まで差し込み、ゴムのグロメットをキャップの斜めの部分で締めあげ固定します。
バッテリーは一旦外し、液補充&補充電です。クーラントは、漏れやエンジンオイル混入は無さそうなので、全量交換のみです。
エアクリーナーは、K&N製ですので、洗浄です。ダイヤフラムの回転は無さそうです。
クーラント全量交換中です。スパークプラグは、2年前にNGK製JR8Cに交換しています。あまり距離を走っていないので、点検清掃のみです。
バッテリー補充電後の電圧と容量です。
エンジン始動前と始動後(ヘッドライト消灯時)の電圧です。充電系は平気そうです。
ステーターとレギュレーターの接続カプラーが溶けていたので、交換しました。キャリパーは、点検清掃のみです。
フルードは、交換から約2年なので、フロント&リアブレーキ、クラッチとも交換しました。
シフト時に、うまくいかないことがあったり、引きずり等が出ることがあったので、外してみました。クラッチ板の減りもあったのですが、鉄板側の焼け、変色、変形も見られたので、全交換しました。
車検は、多摩陸事です。試乗を兼ねていっていますが、気温の高い日にヘッドライト点灯、電動ファン作動、街中低速走行で失火は出ないので、大丈夫だと思います。エンジン始動時に吹き返しが若干出ますが、バルブ周りにカーボンが付着していることが原因で、冷えている際にうまく密着していないと、燃焼ガスが漏れ、インテークポート内の気化しきれていないガソリンに火が付き、吹き返しになります。エンジンを分解しないで改善する場合は、清浄剤入りのハイオクを使うか、レギュラーガソリンに清浄剤(燃焼促進剤)を入れ、高速道路を走行し、4000回転(逆車の場合は約時速100km)でアクセルはパーシャルで、速度を維持できるギリギリまでアクセルを閉めます。4ストロークの場合は、最高出力回転数の半分の回転数で出力の山ができるので旧型Vmaxは4000回転付近が燃焼が安定すると思われます。できるだけ薄めの混合気で適度なエンジン回転を維持していると希薄燃焼になるので、燃焼温度が上がります。燃焼温度が上がれば、付着したカーボンを焼き切れる確率が上がり、清浄剤入りであれば、その分カーボンが焼けやすくなります。よく高速道路を一定回転で長距離走るとエンジンの調子が良くなることが多いといわれるのは、燃焼状態が改善することが大きいです。
最終チェックと試乗です。特に問題無ないので、納車になりました。
2018.07.14 作業担当 ヤダ(矢田)