毎日暑いですが、午後2時~3時ぐらいは、ガレージで仕事をしていると気が遠くなりそうです。
マフラーがスーパートラップ4インチのスリップオン2本出しだった車両ですが、オーナーがKERKER製のフルエキゾーストの右1本出しを持ち込まれましたので、交換です。と言っても、そのまま付くはずもなく、オーナーと相談の上、メインスタンドのステーを切断することなくエキパイを加工し、更にサイレンサーの角度や取付位置変更を行った上で、うるさくない排気音でということになりました。加工屋さんと打ち合わせの上、加工を行ってもらいました。

いきなり完成していますが、結構加工しています。KERKER製のフルエキゾーストタイプは、スリップオンと違い、4-2-1の接続で、左側の前後、右側の前後を接続しサイレンサー手前で1本に接続しています。エキパイも細いし、4本のエキパイも等長に近いので、機能重視のような気がします。エキパイが太いとシリンダーヘッドの接続部で段差ができ、排気の際、段差部で膨張し、更に渦を巻くので、流速が遅くなる上に、エンジン回転を上げ排気流速が上がると渦が大きくなり、排気の流れ自体を邪魔します。排気の流れについても、出ていく排気で次の排気を引っ張った方が良く、排気音も圧力波なので、排気の圧力波の変動で音の出方が変わりますので、排気と次の排気は近い方が良く、排気の圧の変動が少ない方が静かです。並列4発はうまく集合させると排気が順番につながるので、排気音が一定になりやすいです。逆に単気筒は、1発1発の排気がつながらないので、排気音が途切れ、音量を下げるのは中々難しいです。
KERKER製のままだと、サイレンサーが水平に近く、もう少し下側になります。マフラー加工に伴い、ダミーダクトとトップカバー、リアフェンダーの色変えを行いリフレッシュになりました。
マフラー側の写真を取りたかったので、いつもの場所ですが、向きが反対です。
一旦、マフラーを加工し、音量を確認してから、サイレンサーのグラスウール交換、内部通路加工を行いましたので、サイレンサーが1本のわりに静かになりました。マフラーを加工したので、エキパイの塗装や、キャブレターの同調を行いました。最終チェックと試乗を行いました。特に問題は無かったのですが、抜けの関係で、少しセッティングが薄くなったようで、始動後のアクセルのツキやトルクが細くなりましたので、少し乗ってもらってから調整するかもしれません。無事納車になりました。
2018.07.24 作業担当 ヤダ(矢田)