ゼンリンが、物流サービスに関するドローンの今後の市場規模拡大を見据え物流会社などに提供を考えている、ドローンを目的地まで安全かつ正確に運行させる管理システムです。
2016年度にドローン事業推進課を立ち上げ、以降、地方自治体(大分県佐伯市、埼玉県秩父市、岩手県岩泉町)などとの運行管理システム構築に向けた実証実験を経たうえで、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)や日本気象協会などとの連携により開発を行ったようです。
この運行管理システムは、主に「スカイネットワーク」と「エアスペースマネジメント」という2つの機能で構成されているようです。
前者のスカイネットワーク機能はドローンが飛行する空の道を自動的に示す機能ですが、その際、建物や道路上空、障害物などは避けるようになっていて、また故障で落下しても被害が小さくなるようなところをできるだけ選ぶようになっているようです。
また、後者のエアスペースマネジメントはドローンが飛行する空域を管理する機能であり、複数のドローンの飛行計画をリアルタイムに管理し、「地形情報」「障害物情報」「飛行規制情報」「気象情報」の面でリスクがないかを総合的にチェックし、リスクありと判断した場合は計画変更を求めるようにするようです。
ゼンリンの運行管理システムが、2021年にISOの国際規格(※)にも認められたことから、ゼンリンではこのシステムの利用を業界標準にしたい意向のようです。
(※)ISO 23629-7 UAS traffic management (UTM) — Part 7: Data model for spatial data、2021.9.29発行
運行管理システムに関するゼンリンのサイトは、https://www.zenrin.co.jp/product/category/technology/drone/index.htmlです。
国際規格化に関するニュースリリース(2021.9.30)のサイトは、例えば以下です。
(ゼンリン)https://www.zenrin.co.jp/information/public/210930.html
(経済産業省)https://www.meti.go.jp/press/2021/09/20210930001/20210930001.html