ロシアの港や領空などの利用が必要な物流のことです。ロシアのウクライナへの侵攻に対する欧米などによる経済制裁の影響で混乱が生じているようです。
ロシアの港や領空などの利用が必要な物流として、海上輸送、陸上輸送、航空輸送が考えられますが、大雑把には以下のようになっているようです。
・海上輸送としては、日本とロシア間では、インド洋>地中海>大西洋経由での大型コンテナ船を利用するものがあり、バルト海にあるサンクトペテルブルクや黒海にあるノボロシスク、その他の港などが利用されているようです。あるいは、一旦ベルギーのアントワープで大型船から小型船に積み替えられてロシアへ届けられるようになっているようです。また、
・陸上輸送としては、ウラジオストク>モスクワ>ポーランドといったルートを走るシベリア鉄道による貨物輸送が利用されているようです。さらに、
・航空輸送として、ロシアの領空を経由する貨物便も利用されているようです。
今回の経済制裁の影響で、海運、陸運、空運のいずれにも3月15日時点で混乱が生じているようです。海運では、日本のコンテナ船運航会社(オーシャンネットワークエクスプレス)などが上記のサンクトペテルブルク、ノボロシスクの港での貨物取扱いを停止しているようで、日本からの自動車部品やパルプ、ロシアからの木材・プラスチックなどの輸送に影響が出ているとのことです。陸運では、日本からシベリア鉄道の利用によるほとんどの荷物の輸送ができなくなっているようです。また、空運では、ANAやJALなどがロシアの領空を利用する貨物便の運航を停止しているようで、例えばノルウェー産の生サーモンが輸入できなくなっているようです。
コロナ禍での輸送停滞や運賃の高騰に輪をかけるような形でロシアのウクライナ侵攻に端を発する経済制裁の影響が出てきているようです。