クラウドサービスの1種であるSaaS(Software as a Service)のうち、特定な業種や業務のユーザ向けに特化したSaaSのことです。最近、この種のSaaSが新興企業から提供され始めユーザを増やしていることから注目が集まりつつあります。
SaaSはクラウド(インターネットなど)経由でサービスとして提供される応用ソフト(アプリ)のことですが、2000年代後半のサービス開始当初から提供されてきた、電子メール、ファイル保管、給与、財務会計、人事、その他のほとんどは、業種を問わず利用可能なSaaSで、”Vertical(垂直型) SaaS”との対比で”Horizontal(水平型)SaaS”と呼ばれています。
”Vertical SaaS”は、業種や業務に専門特化している分、そこに最適化された形で開発され(あるいは開発でき)るため、ユーザにとっては”Horizontal SaaS”よりも使い勝手がよく、しかも”Horizontal SaaS”をカスタマイズして利用するよりも安い料金で済むとのことです。このため、デジタル化への投資に二の足を踏む中小企業などの需要を喚起しているようです。
”Vertical SaaS”の提供で成功している企業の事例として以下のようなものが知られています。
・ファーストグループ(東京.渋谷)が提供する”カーズマネージャー”(2018年~)
・カケハシ(東京.中央)が提供する”Musubi(ムスビ)”(2017年~)
・ホリデー(東京.渋谷)が提供する”Holiday for Agency”(2021年~)
”Vertical SaaS”は、スタートアップが業界へ乗り出せる余地が大きいとともに、デジタル化に遅れをとっている中小企業がデジタル化に足を踏み入れ生産性アップを図るきっかけともなり得るということで今後注目が高まりそうです。
企業のカーズマネージャー(cars MANAGER)のサイトは、https://cars-enjoy.com/biz/manager/です。
企業のMusubiのサイトは、https://musubi.kakehashi.life/です。
ホリデーのニュースリリースのサイトは、https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000020198.htmlです。