袴田巌さんが48年ぶりに拘置所の外に出た。
48年・・・30歳から78歳までの、人生が最も輝くはずの時期に、牢獄で生きさせられた人間のあまりに長い時間。
「警察に要る証拠捏造の疑いが濃厚」
「これ以上拘束を続けることは、耐え難いほどの不正義」
裁判所はそう判断した。
「耐え難いほどの不正義」を耐えた力は、袴田さん本人の生きる力だけでは不可能だった。
お姉さんの人生を賭けた愛にもとづく行動と、
その行動に動かされた心優しく、正義を求める人々の実行力が、
一人ぼっちで隔離された命を守った。
愛だけではだめだ。
心優しいだけでもだめだ。
愛と優しさを胸に、正義を追求し続ける継続的な行動力こそが、
事態を変化させた力だろう。
袴田さんに、ここ中国の地から「解放、おめでとうございます」の言葉をお送りします。
宿舎庭に一本だけ立つ桜の木が、花開きました。
どうぞ、袴田さんのこれからの人生が美しく花開きますように、お祈り申し上げます。