「日本が世界から尊敬されている」という言葉自体、私は全然嬉しくないです。
今の日本は尊敬に値する国ではないからです。
尊敬されている(いた)という理由は「憲法に平和を掲げている」ためだと聞くと、
また先日の、採決とも言えない強行採決に憤怒の情が湧きます。
「NGO非戦ネット」の記事で見つけた、二人の外国人の
「安保法案についてのインタビュー」です。
二人はNGO非戦ネットの「安保法制に対する国際共同声明 発表」(2015年9月10日、
参議院議員会館にて)に参加した人たちです。
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ビルマ民主化ネットワーク代表、チョーチョーソーさんは
祖国ビルマの困難な状況を話したうえで、
日本の現状に対して以下のように訴えました。
「なぜ、日本という国が世界から尊敬されているか。
それは日本は70年ものあいだ、平和な国家だったからです。
わたしは平和ではない国から来たこともあり、平和の大切さがよくわかります。
安倍政権は安保法制とは違う選択肢はとれないのでしょうか。
ビルマにはそもそも選択肢が無い。
日本の人たちは様々な形で安保法制に対して反対の声をあげています。
国民の声を聞くことこそが民主主義ではないのでしょうか」
カレーズの会レシャード・カレッド医師
アフガニスタン出身で、カンダハルにて医療支援を続ける
「カレーズの会」を主催するカレード・レシャード医師は、
戦争で荒廃した祖国の現状を話したうえで、以下のように話しました。
「アフガニスタンでは多くの国が活動をしていますが、
その中で唯一日本だけが軍隊を送らず、
医療・教育様々な分野で無償の活動を続けてきました。
日本はアフガニスタンにおいて大変出世したアジアの兄貴分、
として尊敬を集めています。(中略)
なぜ、日本のNGOである我々が
アフガニスタンで安全に活動を続けられるかというと、
日本が平和な国として認知されているからにほかなりません。
今や、アフガニスタンのような不安定な国々の平和のために
日本にできることは東ティモールやカンボジアの経験を活かして
対話の仲介に務めることであり、戦争に加担することではないと思います。
それこそが日本の正しい役割であり、
国連での理事国の地位を獲得するための手段であります。
広島や長崎の被爆と惨事を経験した世界唯一国の日本が
いつまでも第九条の精神を貫くことこそが世界の人々の目標となり、
鏡となれることでしょう。
どうか、日本人のこの優しい、友愛な心を失くさないでいただきたい」
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国際情勢の荒波の中で平和を堅持する国ほど、尊敬に値する国はないと私も思います。
それをかなぐり捨て、「戦争に加担することが平和を守る道」などと
詭弁としか言いようのない意味不明な言辞を弄し、
国民の反対の声を完全に無視する今の安倍政権を何としても退陣させ、
平和外交を推し進める政治グループが政権の座に着くまで、
「日本が世界から尊敬を集める」理由は、もはやないのです。
http://ngo-nowar.net/2015/09/11/reportpressconference20150910/