班長のとう・らんさんは高校の時から東野圭吾の『白夜行』を読んでいました。
(いや、中国語で(;^_^A)
彼女は一年の時から、授業などで私が「平和が一番大事」と言うと、
強い力のある目を一層輝かせて、深く頷いていた子です。
12月初めの日本語能力試験直前にボーイフレンドができて特訓をサボり、
私は(なんで試験後まで待てないねん!)とぷりぷり怒ったのですが、
恋する心は止められないですね( ´艸`)
「私と日本語」――とう・らん――
「何かしようと思ったら、そのことだけに夢中にならなくちゃだめだ。」
これは『ドラえもん』の中の、有名なセリフです。
『ドラえもん』のアニメを通じて私は初めて日本語に触れました。
その時は小学生で、ただ、(なんだ、面白い言葉だなあ)と思っていました。
正式に、そして本格的に、日本語に接触したのは中学生のときでした。
中国では、アニメがとても人気があります。
多くの人はアニメを通じて日本に興味を持ち始めます。私もそうでした。
中学時代、さまざまなアニメを見たり、日本の歌を聞いたりして、
どんどん日本に対する好奇心が膨らみました。
(この国をもっと知りたい!
こんな素敵な漫画やアニメを作っている国はいったいどんな様子なのかな)。
このような気持ちを持っていた私が、大学に入る時日本語学科を選んだのは、
今思えば、必然だったかも知れません。
中国と日本はとても近い隣同士の国なので、
両国の文化はお互いに相手の影響を受けやすいです。
例えば、たくさんの日本語の単語が中国から伝わったのは周知の事実です。
しかし、それだけではありません。
多くの中国語の単語、例えば、「経済」とか「社会」とかは、日本から渡って来たのです。
これは私が、日本語を勉強して初めて知ったことです。
これを知った時は本当にびっくりしました。
(もともと中国と日本の関係はこんなに密接なんだな)と改めて思いました。
しかし、私の周りでは、親戚の人たち、特に年配の人たちは
初めて私が日本語を勉強することを聞いた時、快く思いませんでした。
「どうして日本語なんか選んだの。」と、苦々しい表情を顔に浮かべたものです。
戦争が原因で、以前、中国と日本の関係はとても緊張していました。
中国人のみんながずっと日本人に敵対する気持ちを持っていました。
でも、今この状況はだんだん変わってきています。
みんなは、ますます平和の大切さを知るようになりました。
日本人の「ブルはーと」先生はよく私たちに平和のことを語っています。
そして私たちは、先生と一緒に平和への努力もたくさんしました。
日本の人たちに戦争反対の手紙を書くこととか、
平和の歌を歌うこととか、
全部が私たちの貴重な経験でした。
私は以前からずっと先生にとても感謝の気持ちを持っています。
先生と出会って、私も以前よりもっと日本語が好きになりました。
そして、「日本語をマスターするのは、平和のためにも大切だ。」
と意識しました。
相手の国の言葉が分かれば、気持ちも理解しやすいからです。
ドラえもんの教えに従って、夢中で日本語に取り組んできた一年半でしたが、
「日本語を勉強してよかったな。」
「自分が好きなことをしているのはいいことだな。」
「世界平和はいいことだな。」
これは日本語と出会って以来、私が感じているもっとも深い三つの考えです。
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