今回の帰省旅は飛行機の遅延が一切なく、
昨夜11時半頃、無事大阪市内の家に着きました。
これは一昨年、山東省菏澤市で働き出してから初めての嬉しい体験です。
関西空港から午後10時10分発のバスに乗り、1時間で阪急梅田に着き、
寒いので阪急電車で帰るのは止めて、タクシーで20分ほどの我が家に向かいました。
「また、特別寒い日に帰ってきましたね~」
と、ドライバーさんが気さくに話しかけてくれ、
そうなるとこちらも、立て板に水です。
中国山東省で仕事をしていること、
住んでいる町の空気はやっぱり尋常ならぬ汚染状況であること、
また、自分は、礼儀正しく、心真っ直ぐな中国人をたくさん知っているので、
中国人はみんなマナーが良くないと日本の人たちに思われているのが、
とても悲しく思うことなど、ペラペラと喋くり始めました。
すると、男性ドライバーは、
「日本人も30年前は同じ、いや、もっと酷かったですよ。
知らん者は、昔から日本人は行儀がいいように勘違いしているけど、
以前、僕は外国に日本人客を連れて行く仕事をしていたから、
日本の男たちの醜態は、中国人のマナーの悪さ以上でしたよ。
何しろ、ホテルのロビーをステテコで歩き回ったり、
暑いからと言って、飛行機の中でパッチ(股引)を脱いだりするんですからね。
皆でお酒をめちゃくちゃ飲んで騒ぎ、
酔っぱらって自分の部屋の鍵を開けられなくなって、
ロビーにステテコで出てきてソファーに寝ていたりしたんですねえ。
そんなことを知らんから、みんな中国人がどうこう言っているんですけど、
30年前の日本人は金をいっぱい持って世界に出かけて、
恥かしいことをたくさんしていたんですよ。」
帰ってくるなり、そのように日本人を相対化してみる冷静な日本人に会えた私は、
どれほど嬉しかったか分かりません。
中国でネットだけ見ていたら、
日本が殺伐としているのではないかと想像し、落ち込んでしまいがちでしたが、
現実社会の日本人はそうではない人がたくさんいるんだ、と思えたからです。
生のいい人に会うと、心にそのいいものが即座にパスされてエネルギーが充実しますね。
そのドライバー氏は、中国語で
「お姉さん、灰皿持ってきてください」
まで流暢に話すので、団体旅行のガイドさんだったのかなあと想像した次第です。
下は今日出かけた娘の家がある尼崎市の藻川。この鄙びた風景はいつ見てもホッとします。