写真:沖縄タイムス名護署前で「靴下を差し入れさせろ!」と手に手に靴下を掲げる支援者たち。
長期勾留のため、体調が悪化し、白血球数の低下で髭をそることもできない山城博治さん。
間違って傷つけたら、血が止まらなくなるのだそうです。
つい最近まで、「自殺防止」を理由に靴下の差し入れさえ禁止されていました。
山城博治さんは2年前悪性リンパ腫を患いました。
12月20日、同じ病に罹った女性支援者が長さの違う三種類の靴下を準備し、
「悪性リンパ腫に罹ると免疫力が低下し、指先が冷えて夜眠れない。」
と訴え、断られても30分以上粘り強く交渉することによって、
ようやく、短い靴下だけ許可されました。
(何だよ、それなら初めから認めんかい!)とは誰もが思うことですよね。
全国の留置所、拘置所、刑務所ではどうなっているのか調べたら、
「拘置所の売店で売っている靴下を買う」、
「規定より長い靴下、ストッキングはダメ」と書いてありました。
今回の沖縄県警の仕打ちは山城博治さんの病歴を知ってのことであり、実に生存権の侵害です。
なぜ、ここまで嫌がらせ・虐めをするのか。
なぜ、いつまでも解放しないのか。
下の沖縄タイムス記事の表は、山城博治さんの逮捕容疑の発生した日時と逮捕日時が
「器物損壊」以外の2つは、かけ離れていることを示しています。
「器物損壊」とは、ヘリパッド建設反対派が入らぬように張り巡らした有刺鉄線2本を
ペンチで切ったということです。
こんなことで3か月以上の勾留はあり得ません。
昨年2016年7月機動隊員の車が反対派を轢いたのが、
ただの書類送検であることと比較すれば、余りにも酷い差別です。
他にも、機動隊や海保の暴力で大勢の人たちがけがをして病院に運ばれています。
そこからすれば他の2つは、
後から何とか罪状をとってつけて勾留を引き延ばしていることが丸わかりです。
どんな手を使ってもリーダーを拘束し、皆から隔離して運動を潰そうとしているのです。
確かに、山城さんのみんなの心を掴む魅力は語りきれません。
彼が悪性リンパ腫で入院すると分かった時、ゲート前の警備側の警察官まで心配して、
肩を抱いたくらいなのです。
しかし、いくらカリスマ的魅力を持つ人たちを逮捕・拘束したからと言って、
沖縄の闘いが簡単にショボると思ったら大間違いです。
沖縄県民は自分だけの利益を求めているのではありません。
全ての子や孫に平和な沖縄を残すために、人間の尊厳を賭けて70年も闘っているのです。
―――以下、沖縄タイムス記事から
基地反対リーダーはなぜ勾留され続けるのか 沖縄、これまでの経緯
沖縄で基地建設反対運動をリードしてきた沖縄平和運動センターの山城博治議長の勾留が3カ月以上に及んでいます。
山城議長は、東村高江のヘリパッド建設や名護市辺野古の新基地建設に対する抗議行動で、公務執行妨害などの容疑で逮捕されました。
釈放を求める国内外の有識者や市民グループは「反対派リーダーを長期間拘束することで抗議行動を萎縮させようという思惑がある」と指摘します。これまでの経緯をまとめました。
有刺鉄線2本をペンチで切った疑い
“山城議長は17日午後3時半ごろ、北部訓練場内で、
ヘリパッド建設工事現場への進入を防ぐために設置されたフェンスの上に張られた有刺鉄線2本を、
ペンチのようなもので切って壊した疑いがある。”
市民運動リーダー逮捕、有刺鉄線2本切った疑い 高江ヘリパッドに反対(2016年10月18日)
“女性はその時の様子について「急な斜面から引きずり降ろし、
山城議長から私たち市民を引き離していった。機動隊員の数があまりにも多く怖かった」と振り返る。”
「連れて行かないで」 急斜面、飛び交う怒号 伏線あったリーダー逮捕(2016年10月18日)
“「リーダーである山城さんの狙い撃ちだ」。県幹部は、山城議長逮捕の一報を聞き、不快感を示した。
実際、この「狙い」は防衛省関係者の間で以前から語られていた。
関係者の一人は、市民らが訓練場内での直接抗議行動を起こし始めた9月下旬
「まずは山城氏を逮捕し、反対運動を収束させるべきだ」と周囲に語っていた。”
<高江逮捕の背景>工事遅れ、いら立つ国 「狙い撃ち」で反対運動収束図る(2016年10月18日)
防衛局職員に打撲を負わせた疑いで再逮捕
“8月25日、通称「N1裏地区」で工事現場への侵入防止フェンスを設置していた男性職員の腕を強くつかみ、肩をつかんで激しく揺さぶる行為などで頸椎(けいつい)捻挫と右腕打撲のけがを負わせた疑い。”
山城議長を再逮捕 公務執行妨害・傷害容疑で(2016年10月21日)
平和運動センターの山城博治議長ら2人を起訴 那覇地検(2016年11月11日)
10カ月前の行動で3度目の逮捕
“逮捕された4人は新基地建設の工事を阻止するため、今年1月28日午後2時5分ごろから30日午前8時41分ごろにかけ、シュワブゲート前にコンクリートブロック1400個余を積み上げ、工事を請け負った業者の資材搬入や沖縄防衛局の業務を妨害した疑い。”
辺野古で山城議長ら4人を逮捕 威力業務妨害の疑い(2016年11月29日)
抗議行動を萎縮させる狙いか
“それにしてもなぜ今、10カ月も前の抗議活動に対し、公権力を行使するのか。年内にもキャンプ・シュワブ陸上部分の隊舎工事が再開される。感じられるのは、さまざまな理由をつけて反対派リーダーを長期間拘束することによって、抗議行動を萎縮させ、一般市民との分断を図ろうとの思惑だ。”
社説[山城議長また逮捕]露骨な政治的逮捕劇だ(2016年12月1日)
“国の側にも似た「容疑」がある。防衛局は無許可で貴重な森を切り開き、機動隊員は強制排除で市民に無数の打撲を負わせ、記者を拘束して取材を妨害した。これらを県警は不問にし、正当化さえしている。”
<記者の視点>警察国家の入り口に・・・辺野古抗議で一斉家宅捜索と市民逮捕(2016年11月30日)
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