「共謀罪」が衆議院で自民・公明・維新の賛成により可決されたとのこと。
選挙で選ばれたと言っても国民の半数は選挙に行かず、
選挙民の選択をそのまま比例配分したわけでもない選挙制度の下での多数派が
数の横暴をきわめていることに胸が痛みます。
「テロ等準備罪」新設と言いながら、
当初の条文には「テロ云々」の文言が一つもなかったという点を見ても、
真の意図はテロ対策にはないことが明らかです。
そしてアベ首相は、加計学園事件を追及する朝日新聞に対して、
5月19日に劇作家・今井一隆氏がFacebookで投稿した
〈言論テロといっていいんじゃないか。およそ「報道」ではないし、狂ってる。〉
という記事に「いいね!」をしていたのですね。
朝日新聞は、加計学園事件における権力の不正疑惑を追及しているわけで、
これに関しては、ジャーナリズムの王道を行っているのです。
それを「言論テロ」と言う今井一隆なる者こそ狂っていると私は思いますが、
一国の首相がそれに「いいね!」をしたことは恐ろしいです。
アベ首相は自分に都合の悪いことは何でもかんでも「テロ」にして、
「テロ等準備罪」の対象にしようというのでしょう。
皆さんは、2013年11月、国会周辺で連日、
特定秘密保護法に反対する大規模な集会・デモが続いたとき、
「単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらない」
と石破茂元防衛相が言ったことを覚えていらっしゃるでしょう。
この理屈では、権力を批判する行為も、その相談も、
すべて、「テロ等準備罪」=共謀罪のレッテルを張られ、
憲法で保障されている
思想信条の自由、集会結社の自由、表現の自由が完全にはく奪されます。
独裁国家の出来上がりです。
すでに日本では昨年5月、警察の盗聴(通信傍受)による
捜査対象の拡大や要件の大幅な緩和がなされ、
壁に耳あり、ネットに目ありの状態です。
世界の人々が「国民の自由が極端に制限されている国」を思い浮かべて、
その国が日本だったりする時が刻一刻と近づいている危機感を共有する人は、
何か、自分のできる共謀罪を成立させないための行動をいたしましょう。
私たち庶民は蟻のような存在ですが、
蟻だって、できることは必ずあるのです。