終わりのない闘いはない(笑)。
今日の放課後、外国語学院の院長先生もお招きして、
日本語学部(極小学部ですが)スピーチコンテストが開催されました。
3年生6名、1年生5名の選手達は皆、自分の持つ力を発表に活かせたと思います。
一年生はこんな大それた(笑)場での発表が初めてという人たちばかりです。
下の張新禹さん(もちろん1年生)の表情を見てください。
改装工事直後のEnglish Salonの部屋(日本語サロンは存在しない!怒!)は何もなく、
スタンドマイクもスピーカーも、全部、日本語愛好者協会の会長、趙祖琛さん
(1年生、下の写真左)が借りたり、買ったりして間に合わせました。
1年生としては、ダントツの日本語力のある趙さんは、
1位から3位までの入賞を3年生が独占する中、ただ一人、3位に食い込みました。
会の司会・運営は3年の陳さん・閻さんが落ち着いてやってくれました。
3年生は本当に頼りになります。
スピーチも、3年生は内容があるものばかりです。
実は、『中国人の日本語作文コンクール」に応募した作文の一つを
スピーチ用に手直ししたので、自ずとスピーチ・テーマも
作文コンクールで募集しているのと同じになりました。
今回、優勝の栄誉に輝いたのは3年生の陸恵敏さんです。
彼女もまた、以前の韋彤さん同様、
何が嫌と言ってスピーチほど嫌なものはなく、
2年生の時、ただのクラス内のスピーチ発表会ですら緊張して、
途中で頭が真っ白になり、
後半は何を言っているんだか訳が分からなくなった人です。
今回は大学で最後のスピーチ大会だし、
先生はワイワイせっつくし、
(よし、とにかくベストを尽くしてみよう)と決意したんだそうです。
それに、7ヶ月前のアニメ吹き替え大会で悪役を上手く演じられた経験も
自信になったとのこと。
アニメ吹き替え大会は3年の初め頃の授業で、ただ遊び心でやっただけですが、
(何でもやらせてみるものだなあ)と感心しました。
原稿では発表の臨場感が出ないのが残念ですが、
以下が陸恵敏さんの発表した内容です。
陸恵敏 日本の「中国語の日」に私ができること
「陸姉ちゃん、見に行くよ。準備できた?」
「はい、はい、すぐに食べちゃうよ。」
「小さい椅子を持っていくの忘れないでね~。」
今も、この情景がまざまざと心に浮かんできます。
私の故郷は福建省の小さい村です。
交通が不便な村にわざわざ来る人はほとんどいません。
でも、毎年、必ず、あるグループが村を訪れてきます。
マリオネットを操って演じる旅芸人の人たちです。
このマリオネット、人形芝居は、福建省の南の地方に伝わる娯楽演芸で、
今まで二千年以上の歴史があります。
大都市の人々は(なんだ、そんなもの)と思うかも知れませんが、
外との交流が少ない村民にとっては、大人も、子どもも、
一年のうちで最も楽しくて、ワクワクする一大行事でした。
子供たちは急いで晩御飯を食べた後、友達と一緒に小さい椅子を持って、
会場に走って行きます。
早く行けば、舞台が一番よく見える場所に座れるからです。
さあ、いよいよ開始です!!
臨時に作られた舞台では、芸人二人が赤黒い色のカーテンの後ろに隠れて、
マリオネットを操りながら、
「○○○!」「△△△?」(←福建省方言)
・・・・・・セリフを言ったり、歌ったりします。
裏の楽屋からは劇を盛り上げる音楽が聞こえてきます。
人形遣いたちが指で糸を動かしたら、マリオネットは、
まるで生きているように歌い、舞い、物語を演じます。
演技の時、人形遣いたちは福建省の方言を使います。
ほとんど閉ざされた村で暮らしている人たちにとって、
その方言は普通語、プートンファよりもずっと親しみを感じる言葉なんです。
大人たちがそのマリオネットの物語をああだ、こうだと言っている間、
子どもたちは「すごい!あれ、なに!」と口を挟むこともあります。
もし日本で「中国語の日」を開催するとしたら、
私はこのマリオネットを日本の皆さんに紹介したいと思います。
現在、この人形芝居は、中国の無形文化遺産になっています。
これは私の大切な宝物の記憶であり、中国福建省の民衆たちの二千年の記憶です。
このマリオネットの芝居を観れば、
何代にもわたる福建省の人々の喜びや愛が、
日本の皆さんの心を温かく包むに違いないでしょう。
うう、悲しいかな、ピンボケ。
左が陸恵敏さん、右が学院の院長先生です。
ドアの横で発表など、日本ではあり得ないですよね(笑)。発表している時もドアが開いて人が入って来たりして、とにかく何でもアリです。
この部屋は「英語サロン」の看板はあっても「日本語サロン」がないので、3年間心中腹立たしく思ってきたので、この大会後、日本語学部の新ボス、李海鵬先生に「日本語を学ぶ学生達のために『日本語サロン』の看板を大学に作らせてください。いくら弱小学部でも、存在しないかのように扱われるのは学生が可哀相です。」と訴えたところ、「そうですね。わかりました」と力強い返事あり。こりゃ、何とかなるかも、です。李先生は何でも言えば耳を傾けて真面目に考えてくださる親日家のいい先生です。
陸恵敏さんはじめ、ご紹介したい作文がいくつもあるのですが、取り合えず、落選が決まってからにします(笑)。
冷遇されているのは悲しいけれど、こんなに立派に話すことが出来るなんて!指導者の力量が分かりますね。
日本を好きになってくれる中国の人が育ってくれていて嬉しく思います。
福建省の自分の村のこととあって、普段と違い、胸を張って最後まで堂々たるスピーチをやり切りました。福建省の言葉は、日本語にところどころ、とても似ていましたよ。
このスピーチについてのエピソードも作文に書いて作文コンクールに応募しましたので、陸さんのメールフレンドであるmr.blackさんには特別に別便でお送りしますね。応募作なのでブログではまだ、紹介できませんので(落選した暁?にはどんどんご紹介いたします(笑))。