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続・専門家の意見




先日の記事に関して少々書き足したい。


専門家の意見は、門外漢は考えもしないようなところに視点があっておもしろいくらいに実用的だったり、経験に裏付けられていて含蓄があったり、軽々とやってのける陰に努力のあとがうかがえて感動させられたり、よく理解できないけど何かすごい!という驚きがあったり、わたしは何かを極めようとしている人の仕事には常に最大限の尊敬を持って接したいと思っている。

序でながら歴史に残るどんな偉大な専門家の仕事でも、それは常に「過程」である。もし、何かをすでに「極めた」と言う専門家がいたら、要注意だ。



こんなことを言うのは口幅ったいが、専門家から頂戴した回答に対して僭越にも微笑を禁じ得なかったのは、

「分かりません」

とは、口が裂けても言えなくなってしまっていることに対してだ。
おそらく専門家が最も陥りやすい「穴」だと思う。


「これこれこういう極端な解決方法もあると言えますが、実用的ではないので、今のところ回答を差し上げるのは難しい」

と、なぜ言えないのだろうか。分からないと言ったら、自分の専門性に傷がつくとでも?


自分の仮説が間違っているかもしれない、と検証し続ける科学者だけが真に科学的であるように、「分からない」と言える専門家こそが真に知的であると思うのである。



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