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Brugge Style
テイト・モダンとサウス・バンク

サウスバンクから眺めたテムズ川。晴天。ロンドン・アイからテイト・モダンまでの川沿いのそぞろ歩きも、屋台やテラス席がたくさん出ている(昨日は祝日だった)人ごみもまた楽し、だった。
何度も訪れている美術館をぼんやり見学し、陽の当たるテラスで冷えたロゼを飲み、3歳くらいの子供が「あくちゃりー!」(実は!)と舌足らずで繰り返している音の心地よさに微笑し...毎度おなじみ休日のロンドンが斬新に見えるのは太陽のおかげだ。
ロンドンもロンドン近郊も(欧州も各地で)すばらしいお天気が続き、ひょっとしてゴールデン・ウィークにこちらへ来られた方は晴れ女晴れ男が多かったのでは?
テイト・モダンで見たデ・キリコの作品説明文の中に、そのシュールな世界について詩人のエリュアールが、"These squares are outwardly similar to existing squares and yet we have never seen them...We are in an immense, previously inconceivable, world" (これらの四角形は実在の四角形に表面上は似てはいるが、似ているだけでまだ誰も見たことのない四角形なのである...われわれは計り知れない、想像を絶する「世界」にいる)と解説した一節があり、それがキリコのシュールな世界についてだけでなく、この美術館そのもののことであり、またわれわれの代わり映えしないように見える日常そのものであることを思った。
アメリカ人の観光グループが、キュビズムを説明するガイドさんに 大真面目で "I do't get it!" (解かんないわ!)と繰り返しつっかかっていたのがおかしかったのだが、ガイドさんはなんと説明したのだろう。盗み聞きすればよかった。わたしだったらこのエリュアールを引用しつつ歪曲したんだが。「わたしたちは決して『解かんない』世界にいるのだ、しかし自分独自の方法で敢えて世界を説明しようと試みるのが芸術家なのだ」と。違うかな...
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