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Brugge Style
ワンピースと Fiat 500
ラポ・エルカン (Lapo Elkann) はすでにフィアット社から退いているが、車 (彼の場合 Fiat 500) を彼ほども身体の一部かアクセサリーように扱い、かつ広告塔としても成功している人もいないと思う。
ド派手なスーツも角が取れた風に自然で、その熟れ方は彼の文化資本の豊かさに由来していると言えばいいのだろうか、魅力的な男性だ。
チンクエチェントに乗る魅力的な男性...
他にはルパン3世がいますな。
エルカン氏とルパンには共通点があるように思う。それは何なのか...遊び心? 余裕? おしゃれだが本気でおしゃれをしているわけではないところ?
ジョン・ハーヴィは著書「黒服」の中で、「ナルシシズムと無頓着さと機知と快楽主義を併せ持った男たち」をある種のクールな男の条件として取り上げており、その辺りに秘密がありそうだ。
あるいは現代のダンディ、キャンプ的(by スーザン・ソンタグ 「キャンプについてのノート」、「反解釈」収録)であるところ?
かっこいいなあ!
そういうわけで、変にミーハーなわたしは、今の愛車(四駆)からチンクエチェントに乗りたいのであると夫に前から訴えている。しかし、「たしかに洒落ているけど小さ過ぎて何かあった時に怖いのでは」という理由でなかなか色よい返事をもらえない。
13歳の娘に至ってはチンクエチェントの良さが全く理解できないらしい。「ママ、マジで ”かわいい” 車に乗りたいの? かわいいって "vulnerable" って意味ですよ?」と言う。
"vulnerable" ...傷つきやすい、攻撃されやすい、無防備な、脆弱な、非難を受けやすい、<誘惑・説得等に>弱い(研究社リーダーズ英和辞典より)。ぐぬぬ。
やはり彼女は日本語でものを考えないのだ、ということがこの発言から分かった。日本語でものを考え出した途端、「かわいい」は断然肯定的な意味を持つからだ。
わたしはワンピースを着てハイヒールを履いていることが多い。というかほとんどそれしかない。
だから、夫のメルセデスやアウディの助手席から降りてくると「はずし」のない単にコンサバなマダム、である。
これがすごーく嫌なの。笑。
ほら、エルカン氏もルパンも、かなり個性的ではありながらきちんとしたスーツ姿が多いが、ここで車がセダンだったら彼らのスタイルから面白味がかなり軽減されると思う...
逆にわたしが、すっぴんでボーイフレンドのデニムに白シャツ、バレエシューズというようなスタイルが似合う骨格の美しい女だったならばメルセデスでいいと思うのだが。
ロラン・ムレのボディコン(<何とも哀愁漂う単語ですね...)ワンピースを着て、でも某系統になるのは絶対に回避したいので、自分なりのルールをもうけている。
肌は年中黒め(もともと白くない)。
年中焼けた素足/筋足にハイヒール。
ナチュラル・ストッキングは履かない。ナチラル・ストッキングが必要な場合は出来る限りウォルフォードの細かい目の網タイツ。冬はタイツ。
爪は素爪短爪 a la SAC のキャリー。ベルギー時代はずっとジェルのフレンチだったが、英国移転とともに(近所にサロンがないこともあり)素爪派に転身。
髪型は決してがっちりセットしない。ダウンスタイルのときは今海風に吹かれて来たばかりな感じ。無造作にアップ。
時計はボーイズもの(最近はしないことの方が多い)。
サングラスもごつい系。
基本的にシャープなワンピースを選び、甘いディテールはほとんど絶対選ばない。贈り物につけるタフタのリボンやクッキーのハート型は大好きだが、服飾には好きじゃない。
エルメスのバッグは決してピカピカで持たない。ハンドルの汚れ防止スカーフ等もってのほか。あるいは手ぶら。手ぶら万歳。
ゴージャスな服にゴージャスなジュエリーを合わせない。
南洋真珠や貴石の大型ジュエリーも大好きなので、そういうものを身に付ける場合はカジュアルに合わせる。等々。
このリストに、車はチンクエチェントが加わると強い(何が?・笑)と思うのです!
このルパンのように、適当なところで車を止めて、屋根に登ってくつろいでみたいものだ。すっぴんに赤口紅とかでね...
このブログには「ワンピースが好き」というキーワードで迷い込まれる方が常に一定数おられる。
今日はそんな方に向けて書きました!
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