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霧島神宮で神霊に出会う



白象の意匠。普賢菩薩系統の象?


2ヶ月前(2024年12月)の日本一時帰国時のハナシの、書きさしがいくつかあるので、完成させて載せることにした。
今後数回は日本に舞い戻ります。今日は霧島。


・・・


友達との恒例の旅行、2024年12月は鹿児島へ。

わたしが鹿児島を訪れて桜島を見たかった理由はすでに書いた(「鹿児島のひと」)が、次に楽しみにしていたのは霧島神宮参拝だった...といっても過言ではない。

旅のプランを立ててくれた友達は、面積の広い鹿児島では、移動だけでかなりの時間ロスになりかねないところを、うまくスケジュールに組み込んでくれた。

霧島神宮の近所に鰻の名店があるというのも魅力だったし...こちらのお店、ほんとうにおいしかったですっ。


しかも、霧島から特急電車に乗って鹿児島に到着するとき、湾沿いを走る車窓(おもちゃの電車に乗って、パノラマの中にいるよう!)から眺めた、わたしにとって初桜島の雅やかでゆったりとした美しさと言ったら....!!



地元出身の友達に「こちら一択!」と紹介してもらった城山ホテルから、早朝の神々しき桜島を仰ぐ。
コンシェルジェの、われわれ3人が密かに「姫」と呼んだ方もすばらしかったです!


霊峰・霧島連山の麓に鎮座する霧島神宮、ご神体は、霧島連山の一つである高千穂峰だ。

深い森に包まれる高千穂は、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が、高天原から降り立った地である。

「天孫降臨」とは、実際には後からやってきた勢力(渡来系または新興勢力)が、もともとこの地にいた部族(例えば「隼人(ハヤト)」)と、その神々を征服・習合した歴史を反映している可能性が高い。

そうだ、この地域には、もちろん天孫降臨以前から、独自の信仰を持つ人々がずっと住んでいたのであり、彼らが信仰していたのは、おそらく山や噴火などの自然現象を司る神々だったであろう。



側溝から湯煙が立つ...
そりゃ神業! あるいは神霊?


実際、境内には温泉があちこちで湧き出ている。なんと神秘的な。

と、奥まったところで、「山神社(やまじんじゃ)」という、とても小さな祠に出会う。




「山神社」は、文字通り「山の神」を祀る社であり、山の神は、山の多い日本各地で古くから信仰されてきた存在である。
山神、大山祇神(オオヤマツミ)は、山岳信仰の中心的な存在であり、火山や温泉とも関係が深い。

霧島神宮が現在のような形になる前、この地では自然崇拝(アニミズム)をベースにした山岳信仰が行われていたと考えられよう。

しかも、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)の子であり、霧島に80年住まったという彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト))別名:山幸彦の名を見よ。火がボウボウと出ているではないか(笑)!

火山の噴火や温泉の湧出を、神の力の顕現と見る信仰は、わたしにはとても自然なものと感じる。
人間は自然を、人為の及ばないものと畏れ、身をつつしむことを時々思い出すべきだ。




霧島神宮は現在、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)を主祭神としているが、その根底にははるか昔から続く「山岳信仰」や「火山信仰」が息づいている。

霧島神宮の境内で立ち上る温泉の湯気は、かつてここにいた神々が今もなお存在し続けている証か。

まこと、九州は日本の源ですな!


鹿児島は、食も豊かでほんとうにすばらしい! 
上記の鰻もだが、魚介、鶏、牛、豚...
かるかんも実は初めて食べました。友達の手引きでいろいろな名店のものを食べ比べ...!
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