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2018・2019年シーズンが「サロメ」で始まる




2018・2019年のシーズンがいよいよ始まった。

昨夜はイングリッシュ・ナショナル・オペラのシーズンのオープニングは新作オペラ「サロメ」。
"quirky"(奇妙な、風変わりな)と聞いていたのでワクワク度が上がる。

イングリッシュ・ナショナル・オペラは、今年でロンドン・コロセウムをホームにしてちょうど50年。次の50年に向けて新たな出発とのことだった。


話の筋は、もちろんオスカー・ワイルドの「サロメ」が下敷きだ。サロメが単なる「魔性の女」ではなく、オーストラリア出身の女性舞台監督によって現代風に書き換えられていて、「現代風」狂気がとても興味深かった。「狂気」自体は普遍的なのかもしれないが、現れ方は時代によって全然違うのではないかと思うからだ。

判で押したような魔性の女ではおもしろくもなんともない...しかし「オリエンタリズム」(サイード)的であろうが、古くさろうが、紋切り型だろうが、なぜか「魔性の女」というのは見ていておもしろいのである。
「7枚のヴェールのダンス」は音楽のリズムも、パワーゲームも、性的欲望も最も盛り上がるシーンであり、今回あの部分を最も投げやりなダンスにしたのは白眉だと思った。

リヒャルト・シュトラウスの音楽は文句なしにすばらしかった。


ワイルドが書いて以来「サロメ」の性格にされてしまったあの有名な筋よりも、ユダヤ人歴史家が書き残している内容の方がおもしろいと思う。
サロメは実在の人物で、洗礼者ヨハネへの報われない愛のために殺めたのではなく、ヨハネに人望がありすぎたため、支配者であるヘロデ王がヨハネを旗印にした反乱が起こるのを恐れて殺した、という方。


昨夜はサロメの顔形の人面魚を飼うという夢を見た。最初はワニで風呂桶で飼っていたのに人面魚に変わっていき、2歳くらいの知能があり、旅行をする時は「木は森に隠せ」方法で魚屋にあずけたりした。新作サロメも奇妙だったが、わたしの夢も相当である。



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