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運河と時間が交差するところ




あれは1998年、ベルギーはブルージュに引っ越しして、最初に住んだのがこちらだった。

今もこの風景を眺めるたび、なんとも言えない気持ちになる。

ブルージュは、「レイ」(神聖な水)という川を矯正して(11世紀ごろから)運河に作り上げた。
だからブルージュの運河には〇〇運河という名前ではなく、〇〇レイという名前がついている。
この運河システムのおかげでブルージュは13世紀14世紀、欧州一の貿易都市として最盛期を迎える。


この写真のポイントはSpinolarei, Sint-Annarei, Longerei, Potteriereiが交差するところ。
なんとも言えない気持ちになるのは、自分を含めた時間が可視化されているかに思えるからだろう。




ブルージュの長い歴史に比べたらわたしが住んだ13年間なんぞ、ほんのかすり傷程度の時間ではある。

わたしがきた当時はまだユーロ統合前で、貨幣もユーロではなかったし、インターネットを使っている人はまだ少数派で、飛行機に喫煙席があり、液体の持ち込みも自由だった。
ここで娘が誕生し、愛らしい犬を飼い、何人かの親しい人をおくった。

今も街を歩いたり、夕食を食べに行くと必ず知り合いに会う。
お馴染みのお店は結構残っており、心強く思ったりする。




このブログでも何回も紹介している街のパン屋さんVan Mullenが同じ住所に戻ってきた。

先祖代々同じ場所でパン屋を営んでいる家族で、今の代の亭主が一度店を閉めてから、2回全く別の店に変わり、この秋再登場。
クロワッサン、あのころと同じ味だ。

このお店も亭主を変えつつ、同じ一族が同じ名前で今後もパン屋さんを続けていくのか...
これはもうミッションの名前。
サンタクロースか、ジェームス・ボンドみたいですね。


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