goo

chelsea physic garden








7月上旬から続いた酷暑は少しおさまったが、再び30度超えの予報が出ているので、比較的涼しいうちにロンドンのチェルシー薬草園に久しぶりに行ってみた。
ついでの訪問だったにしては、併設のティールームでお茶もして、2時間ほどたっぷり楽しんだ。


チェルシー薬草園は「1673年、薬剤師名誉協会(Worshipful Society of Apothecaries)が薬草栽培のために設立した」Art of Healing(治癒の技術)を研究するための植物園で、設立に尽力したのは大英博物館のコレクションの元をつくったスローン卿だ。彼は当時一級の博物学者で、医師にして蒐集家だった。


まるで魔女の庭のように(魔女は「生死の境目にいる女」であり、薬草知識が豊富)、さまざまな効果を持つ有用な植物5000種以上が効能や原産地によって分けられて植わっている。
「オイルが採取できる植物」「香りの植物」「ビタミンCを含む植物」...「アメリカ原産の植物」「中国・日本原産の植物」そんな具合だ。
繊維を取る植物のコーナーには織物が見本としてかかっていたり、当然蜂をたくさん飼っていたり(運が良ければ蜂蜜を購入できる)、季節柄モンシロチョウがたくさんいたり、樹齢が不明のコルクの木やざくろの木があり、ワクワク要素も充実している。

その中でもわたしのお気に入りは「毒草のベッド(花壇)」。ガイドさんから「イタリアでは女性が瞳を魅力的に見せるためベラドンナを服用し散瞳させていた」「この薬草園で試してしまった女性がいて、病院に担ぎ込まれた」という話を聞く。

一番驚いた話では、つい最近、スノードロップに認知症治療の可能性が発見されたという話だった。日本語ウィキペディアのスノードロップの項目を見てもまだ掲載されていないような話だ。そういう研究は闇雲にされているのではなく、東欧のある地域で古くから頭痛治療に使われていた(額に擦り付けて使っていたという話)慣習にヒントがあったそうだ。


チェルシーの高級住宅街の中に塀に囲まれてあり、ロンドンでもこの辺は「すてきなロンドン」だ。







Chelsea Physic Garden
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 夏の午後10... 現象 »