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アムステルダム・シルエット




初夏の最高のお天気に恵まれたアムステルダムの夕暮れ前。

水の都の光は、水面や水滴に反射して特別に美しいと言われる。Holands Licht(オランダの光)である。
光が強ければ強いほど、明るければ明るいほど、影もまた濃い。

アムステルダムのシルエット。

あなたは何を考えているの...


「あなた、オランダは夢です。昼はよりくすぶり、夜はより金色となる、黄金と煙との夢なのです。そしてこの夢は、夜も昼も、この人たちのようなローエングリンで充たされています。このローエングリンたちは、ハンドルの高い黒い自転車を、不吉な黒鳥のように夢見がちに走らせて、運河に沿って、海の周辺を、国中を休みなく廻っているのです。同色の雲に顔を包まれて、彼らは夢想にふけり、ぐるぐるまわり、霧の金色の香りがただようなかで、夢遊病者のように祈りを捧げます。すると、もはや彼らはそこにいなくなります。」(カミュ『転落』)


そういえば...




イアン・マーキュアンの『アムステルダム』、98年にここの街で読んだ(タイトルに惹かれて手にしたが、タイトルは内容にはほとんど関係がない)。

死者が死んでなお、いや死んだからこそ、生者に深い影響を与え続ける...

人や国など、「陽」(成功とか名声とか)が強ければ、その分だけ抱える闇も濃い。
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