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Brugge Style
アトラス山脈4000メートル
2週間の滞在予定で出かけたモロッコ・マラケシュ、滞在先があまりにすばらしく、延泊して3週間以上の夏休みになった。
その間、ランチやディナーを他のホテルに食べに行ったり、マラケシュの旧市街を2度訪れた以外はホテルから外出もせず、ただただ静寂を楽しんでいたのだ(滞在客がわたしたちだけになった日もあった)が、地元に砂漠の砂一粒くらいの貢献をすべく、アトラス山脈へのハイキングに行った。
ホテルがオーガナイズするおんぶ抱っこのプライベート・ツアーで、ハイキングなら気になる三密の心配もない。
アトラス山脈はアフリカ北西部、モロッコの東南の連峰だ。
北アフリカ最高峰4160メートルのツブカル山も含まれる。
主に北アフリカに先住していたベルベル人が住み、この山脈を超えるとサハラ砂漠だ。浪漫だなあ。
「アトラス」山脈という名前が気になる。
ギリシャ神話では、ティーターン神族(巨人族)がゼウスらとの戦い(ティーターノマキアー)に敗れ、ティーターンの一柱アトラースはゼウスによって、世界の西の果てで天空を背負うという苦役を与えられたという。
まさに、土着の神々の体系が、新しく入っててきた神々によって追放されたのだろう。
もちろんツブカル山を目指すにはそれなりの訓練と装備が必要で、ひ弱なわたくしは、遠くに霞むツブカル山を眺めるだけだったが。
写真はガイド氏の許可を取りました。
夏でも雪を残すこの山脈はマラケシュの水源でもあり、山郷には緑が広がっている。
この山の様子は、われわれが持つアフリカの山のイメージとはちょっと違う。
りんごってもっと寒いところでできるのだと思い込んでいた。
エデンの園はやはりこのあたりにあったのか?
(アダムとイヴが食べた善悪の知恵の実はりんごではないらしいが、りんごであるという説が根付いている)
ベルベル語、アラビア語、フランス語、英語を話す。
人は涼を楽しむために滝につどい、川で水遊びをし、日除けのある休憩所や、遊客を見込んだ屋台が水際に出て、みずみずしい果物やミント・ティー、タジン鍋、マラケシュ名物タンジーヤ(壺に肉と香辛料を入れて低温で長時間調理する大変美味な料理)が売られている...まさにアトラス山脈の「床」。
わたしたちには山の中にあるホテル施設での絶景つき昼食が予定に組み込まれていたので(これも美味だった。入口でふるまわれたデーツをミルクに浸して食べるのも)食べなかったが、胃袋がもっと大きかったならぜひ食べたかった...
指をくわえてタンジーヤの屋台を見つめるモエ...
ちょうどタイムリーなニュース記事を目にした。
人類揺籃の地となったアフリカ一帯は、当時は緑と水の豊かな土地であった。
現在進行中の地球温暖化がこのまま進行すると、何百年か後には再び気候が変化し、アフリカの地に何万年も前のような緑豊かさが戻ってくるだろうという計算だそう。
それを見越して投資しませんかというオチまでついていた。
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