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Brugge Style
osipova juliet 2022
またすごいものを見てしまった...
ロイヤル・バレエRomeo and Juliet 『ロメオとジュリエット』ジュリエットNatalia Osipova、ロメオReece Clarke。
わたしは Natalia Osipovaがロイヤル・バレエに入団して以来の大大ファンで、彼女の公演は欠かさず見てきた。
しかし、最近(コロナ前の話ですね)は、公演(役柄?)ごとの出来の差が激しく、素晴らしい時は「世紀の」公演、そうでないときは...という感じで大変ムラがあり、今回は当初、観覧する予定はなかった。
相手役の、長身で姿形の美しいReece Clarkeも、ハレー彗星のように飛んでくるNatalia Osipovaのサポートは彼でなくてはならないのかと思う。
そうは思うものの、彼は多少力不足なのではという側面もありで、このチケットに140ポンド使うなら他の公演に使うかなあという感じだったのだ。
だから昨夜の中世ヴェローナの夢はチケットを譲っていただいたおかげ!!
Natalia Osipovaはおそらく、『眠れる森の美女』のオーロラ姫や『くるみ割り人形』のシュガー・プラムの精など、「美しいけれど空っぽな役」を演ずると、ある意味で役不足(文字通り、役が彼女に十分ではない)なのではないかと思う。
美しいけれど空っぽな役が無意味だと言っているのでは決してない。
バレエを含む演劇においては、とてつもなく美しいだけで空っぽな役というのは非常に重要(なぜならそれはイコンに描かれた聖母像のようなもの)だと思うからだ。
イコンに描かれた聖母像は、「人間とは何か」をこちらに問うてくるのである。
一方、彼女がジュリエットやジゼルなど「ぎりぎりの状態で人間はどのようになるか」という人間臭い役を演じたら天下一品!!!!
ダンサーの身体つきのことを言うのもどうかと思うが、このところ丸みのある身体つきだったのが、幼いジュリエットと重なるようなほっそりとした少女らしいラインを復活させているのもよかった。
幼いジュリエットの愛らしさや可愛らしさ、ロミオに出会い、生か死かの重大決心をするきっかけになった怒涛の感情の途切れない表現と心理の変化、もうすごかった。ブラヴォー。
最後に、敵役Tybalt役の平野亮一さん、すばらしかった。
ロメオのReece Clarke、パリスLukas B. Brændsrødと三人並んだらもう圧倒的な華。
彼はドンキホーテの人気マタドールEspadaやオネーギンなど、ヤクザな役を演じたら他を食ってしまうほど輝く。
おそらく彼の実像とは正反対だからだろう。
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