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Brugge Style
1998年のダイアリーと四つ葉のクローバー
日本で長年お世話になっていた接客業の方のお名前をど忘れしてしまい、時間の遺物がまとめてある箱の中を探した。
昔のスケジュール帳やアドレス帳のレフィル、私的ベストテン映画のタイトルや、本からの引用、印象に残った飲食店の特徴などがリストアップしてある手帳(わたしは昔からメモ魔なのだ)、期限切れしたパスポートや、大切な人の古い名刺、美味しかったワインのエチケットなどが、タイムカプセルのように納めてある。
お名前はすぐにわかった。1998年のスケジュール帳に書いてあったのだ。
そのスケジュール帳が、箱の中の一番古いものだった。ベルギーに引っ越した年だ。
他のページを見返してみると、忙しそうな予定がびっしり書き込んである。
右側のフリーの余白にも、気になる言葉や、目標、レポートの締め切り、行きたい展覧会や音楽会、買いたいCDや本のタイトル、口紅のナンバー、当時の自分のメルアド(@osa.att.ne.jp! 当時Macintosh PowerBook 2400cを使っていた。懐かしい)がメモしてある。
23年前の自分は、いろいろな人に会い、行きたい国に行って見たいものを見、あれこれの締め切りをこなし、若くて(根拠のない)自信たっぷりで、「大統領のように働き、王様のように遊ぶ」朝から晩まで充実した日々を送っていた...
と、実にこの23年間思い込んでいた。
しかし、スケジュール帳から読み取れるのは、何かを探して危なかしく西に東にさまよう若い女だった。
無責任でいい加減。糸の切れたタコ。はんぱもの。その日暮し。そんな暮らしをしていても、いつか王子様が現れてわたしを救ってくれる、とでも思ってたのか?!
はたと箱を閉じ、下で映画を見ている夫のところへ走って行って「わたしを一人にしないでね」と言った。
そのくらい、ひとりだった自分が危なかしく思えたのだ。
こういうスケジュール帳や、他に大量にある日記などは、死ぬ前に全部処分しないと...
上の写真は徐々に使わなくなってきていたらしい2000年のダイアリー。
誰がくれたのか、真ん中あたりに四葉のクローバーが挟んであった。
娘の誕生した翌年だ。たぶんダイアリーに書くような予定も余裕もなかったのだろうが、今思えば娘の様子を毎日記録しておけばよかった。
メモ魔なのになぜ? と思われましたか? メモ魔は肝心なことはメモしないものなのです!
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