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Brugge Style
檸檬
平均気温低めの英国の温室内で最も成功したのはバナナの木だった。
どんどん株分けしつつ、あれよあれよと高さ2メートルに成長し、憧れのモロッコ建築、アンダルシア式の中庭の実現も目前かと夢想していた。
モロッコの中庭、このブログにも何度も書いているが、写真本を収集するほどの憧れ!
しかし、去年、温室改装工事が予定よりも大幅に遅れたため(英国ありがち)、しばらく庭に出していたら根からダメになり、全滅させてしまった...
綺麗になった温室内で一番茂っているのがレモンの樹だ。
夫が手塩にかけて育てており、苗を買った当時はほんの10センチほどだったのに、今はわたしの身長ほどある。枝ぶりも派手だ。
葉の香りもレモンそのものでかぐわしい。
白いつぼみは花弁の根元が濃いピンク色で、庭への扉を開けておくと蜂が入ってきて仕事をする。花托がどんどんふくらむ。
写真の実はもう店頭で売られている大きさだが(このサイズのものだけが今3つある)、食べるタイミングっていつなの...それとも食べずに丸善に置きに行くべきか。
高校生の時に読んで心を奪われた梶井基次郎の『檸檬』、青空文庫に入っている。
胸を病み、貧困にあえぐ青年と、世界を組み替える美しい檸檬爆弾...丸善にレモン爆弾を仕掛けるという行為に感情移入しない高校生がいるだろうか!
今日の午後、温室で読もうと思う。レモンタルトを作ろうかしら。
10分あれば読めるのでぜひに!
下の写真は先週、イースターのうさぎが持ってきて庭に隠していった卵の形のレモン。
かわいい! 味もレモン味だった。
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