goo

romeo and juliet 2022


Federico Bonelli as Romeo and Marianela Nuñez as Juliet in Romeo and Juliet
©2021 ROH. Photograph by Andrej Uspenski



昨夜はまた素晴らしいものを見てしまった。

ロイヤル・バレエのMarianela NuñezとVadim Muntagirovによる、去年11月の2回の『ジゼル』も、公演の間の3時間ほど異次元に移動してた? と思ったほどだったが...


ロイヤル・バレエはその演劇性で知られている。
演劇は(オペラも、バレエも、芝居も、ちょっと違うが小説も)、ある状況(多くはぎりぎり極限の状況)で人間はどのように思考し、選択し、行動するのか、人間とは何か、人間は世界をどのように解釈するのか、普段の人間ができるだけ避けて考えようとしないテーマを扱う。

狂人や浮浪者、魔法使い、死者や神が登場する筋書きが少なくないのも、それらが常に人間とは何かを問うてくるからである。

演者は、自身の性別や年齢、人種や心情をいったん傍において、別の人格を演ずる。
実際の自分とは、最もかけ離れた時代の、属性も、信条も、性格も違う人物を演じる歌手、ダンサー、俳優、語り手...人間はおそらく「他者」になり切ることで本質を知るのだろう。
崇高なことだと思う。

また、一回性が特徴で、何度同じ演目を見ても飽きない。


昨夜のロイヤル・バレエの『ロミオとジュリエット』、プリンシパルダンサーはFederico Bonelli as Romeo and Marianela Nuñez as Juliet。

このシーズンの『ロミオとジュリエット』は2つの時期の開催に別れており、ある記事によると、2つ目の時期の初パフォーマンスを飾るはずだったNatalia Osipovaの「不調」で、Marianela Nunezがこの夜も務めたらしい。
もちろんすばらしかったそうだ。彼女の公演回は全部見ることにしているファンとしては見逃して残念、テーブルをぶっ叩きたいほど(笑)。

昨夜もMarianela Nunezはすばらしかった。繊細にして大胆、無駄な動きやごまかしや演技のわざとらしさは一切なく、彼女の足首と甲の柔らかさはクリームのようだ。完璧な美。言うことがなくて困る。

会場がざわついたのは、第二幕のマンドリンの踊り(ストリート・ミュージシャン連。披露目屋、といえばいいか)のリードダンサーのJoonhyuk Jun、そしていつものように第一幕舞踏会のシーンで舞台をかっさらっていったMarcelino Sambéだった。

女性指揮者Alondra de la Parraの率いるオーケストラもすばらしかった! ブラヴォー!!!
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« グウィネズの... プリマベーラ... »