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Brugge Style
romeo and juliet, bonelli and cuthbertson
ケネス・マクミラン(Kenneth Macmillan)の「ロミオとジュリエット」@ロイヤル・バレエ。
ジュリエットはローレン・カスバートソン(Lauren Cuthbertson)、ロミオはフェデリコ・ボネッリ(Federico Bonelli)、非常に盛り上がった夜だった。
この2人は説明なしにそこに立っているだけでロミオとジュリエット。
ボネッリは、ロミオの軽薄さ浅はかさや、退屈している青年であるとか、ペラペラと燃え上がる性格など、演じているのか素なのかはわからないが、ロミオそのものだ。
ダンスも、ジュリエットとパ・ド・ドゥを踊り始めるなり人が変わったように繊細になり、強く、美しくなる。
カスバートソンは、娘が熱狂的な彼女のファンなのだが、娘曰く、物語バレエの役柄への没入の仕方、なりきり方が尋常ではないとのこと。
たしかにロミオを思って舞台上で号泣する(彼女の涙が見え、すすり泣きが聞こえた)様子には胸を打たれた。観客を泣かせるためには芸をする側は決して泣いてはいけない、とは言いますよね...それにもかかわらず、です。すごいものを見てしまった。
当夜はオーケストラもとりわけすばらしく、また、ティルボット役のBenett Gartsideも迫真の演技、
ほんのちょっとしたきっかけで運命の歯車は方向を変え、人間の意志などお構いなく、周囲を巻き込んでどんどん回る...という勢いの表現がすばらしい舞台だった。
(写真は© ROH/Bill Cooper、roh.org.ukより)
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