私には、『ゆとり教育』 の話の前に 触れざるを得ないことがあります。
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それは、三人の息子が通った幼稚園の話。
家内が選んできた そのM幼稚園が、特に何か優れていると聞いた訳ではありません。 選んだ理由は、家内の実家に近いこと、そして悪い評判は聞かなかったこと、その程度でした。 あ。 あと、とことん遊ばせる、というのがありましたが。
私も ごくごく普通の父親として 幼稚園行事に顔を出し、子供の幼稚園生活を見守っていました。
転機は秋の運動会。 M幼稚園で各種行事のサポートをしていた 『父の会』 の運営があまりにダラダラしていて、「こんなダラダラではいかんではないか! 俺が立て直してやる!」 など勝手に息巻いて、次年度から 会に参加したのです。
でも。 参加してみれば、他の父親と呑むことだけが楽しみになって、「このダラダラ感が良いよね」 などと ほざくまでに堕落、いや 馴染んでしまったのです。 いつしか会長まで務め、その後の長い長いPTA活動へと繋がってしまうのですが、この話は 本題とは関係ないので、止めます。
関係するのは、K園長との出会いです。 K園長にとっては不幸な出会いでしたが。
なにしろ飲み助な私です。 K園長は、たぶん、当初の私のことを ただの酒好きのオヤジだと思っていたでしょう。 と言うか、今でも そうとしか思っていないようなフシは あるのですが。
私にとっては、学ばせられることの多い園長でした(反面教師の部分も含めて、ですが)。
K園長は、父親の跡を継いで 幼稚園経営に携わるまでは、中学校の教師でした。 あるとき、K園長と話していたら、こう言われました。 「私はね、中学生になったときにね、そのときに 生きる力を持つ生徒に育っていてもらいたいと、学校の成績よりも人に優しい人間になっていってもらいたいと、そう考えてね、幼稚園教育をしているわけよ」
ほ~う! 立派な園長だと思いましたね。 いやぁ、M幼稚園に来てよかった。 そう思いましたよ。 ただ、K園長と20年以上の付き合いがある E口君に 後日、この話をしたときに、彼が 「フフン」 と笑った(ような気がした)のが、ちょっと引っ掛かりましたが。 まぁ、そんなこたぁ、小さな問題です。
当然に二人目も M幼稚園に。 あと2年後には三人目も、という頃 疑念が…
それは。 M幼稚園の園児は落ち着きが無い? という疑念。 では、どのくらい無いかというと。
初めてドームで運動会を実施する年のこと。 前週に、ドームで 他の幼稚園が運動会している様子を見に行きました。 会長ですから。 すると、M幼稚園の先生方も沢山来てます。 初めてだから、先生も 不安が あるのですね。
さて。 演目の最中に、次の演目に出る園児が 入場門に集められています。 このとき、M幼稚園の先生方が叫びました。
「すごい!並んどるやん」 「黙って整列しとうバイ」 「すごいねぇ!」 「どうしたら、子どもに あんなことが させられるとやろか?」
取りあえず、いずれも親としては聞きたくない会話が耳に入ってきます。 そういえば。 M幼稚園の園児がきちんと並んどうのなんか見たことなかやん。 というより、いつも走り回っとうじゃん。
区域の小学校で聞いた話も。 「M幼稚園の卒園児は すーぐ分かるっちゃね。 ぜんぜん ジーっと しきらんもんね」
そう。 徹底的に落ち着きが無い!
「園長。 こげん思うとやけど、どないなっとうやろか?」 この話をK園長に。
「なーんも 心配ないとよ。 自分で考えて行動できる中学生になるとよ」
「いや。 中学校やなしに、いま現在の小学生の話たい。 M幼稚園の卒園児は すぐわかるとバイ。 小学校で 落ち着きの無かとやけんが」
「じぇんじぇん 心配なかとよ。 立派な中学生になるとよ」
最後は 酔っぱらって、なんば聞いとったか よう分からんですタイ。 ただ、家に帰って家内に言ったらしいです。 「三人目は 違う幼稚園に通わせよか?」
結局、三人目も M幼稚園でした。 そう決めたのに、2セットづつある制服その他の幼稚園グッズが もったいなかったから、という以上の理由は何も ありませんでした。
そして。 長男・次男は 小学校の高学年から中学校へと進む年頃になってきました。 本当に、K園長が言う通りなんやろか?
そのとき。 <本人が望んだことやないもんなぁ> <子育てに、やり直しは効かんもんなぁ> 珍しく、しみじみ 考えました。
いまさら幼稚園からやり直させることもできんし。 幼稚園は親が選択したことやし。 それが良かったかどうかなんて、分からんよねぇ。 今さら K園長に 色々言うてどうなるもんでもないし。 子供は実験材料やないから。
やっぱり、人間性のある 中学生になると 信じるしかないとやろねぇ。
ところが。 その後の 小学校、中学校では壮大な実験が始まろうとしていたのです。 そう。 それが、『ゆとり教育』
例によって、延々と 関係の無いような話ばっかりして、次回に やっと 『ゆとり教育』 を考えるのであります。
<追記>
もちろん、私は K園長とM幼稚園が大好きです。 今でも 親交を結ばせていただき、各種行事などに出席させていただいております。 子ども達は卒園しましたが、私には卒園はありません。
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