本を選ぶ時、本の雑誌『ダ・ヴィンチ』を参考にすることが多いです。
読みたいと思った本は、携帯にメモしておくのですが、この本はそこまでではなかったみたいで忘れていました。
紹介されていたのは何ヶ月も前でしたが、タイトルや表紙が印象的だったので、図書館で見かけてふと、そういえば見たことあるなぁ…と思い出し、手に取りました。
パラパラと少し読んで、面白そうなので借りてみました。
わたし、川村七竈(ななかまど)十七歳はたいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった。――男たちなど滅びてしまえ。吹け、滅びの風。
「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」の気鋭、桜庭一樹が描き出す、最高の恋愛小説。鉄道を愛し、孤高に生きる七竈。淫乱な母は、すぐに新しい恋におちて旅に出る。親友の雪風(ゆきかぜ)との静かで完成された世界。だが可愛そうな大人たちの騒ぎはだんだんと七竈を巻き込んで――。 (紹介文より)
あ、「恋愛小説」だったのか 確かにそうだけど、そういうジャンルだったのか
七竈の母は、小学校の教師をしている真面目で平凡な女性でしたが、ある日を境に物狂いのようになって、短期間に7人の男と関係を持ちます。その結果妊娠して生まれたのが七竈でした。
その後も母はほとんど家に居着かず、普段は物静かな祖父と二人の生活。
美しいけれども風変わりで鉄道マニアの七竈は周囲から浮いていて、親しい友人はただ一人。同じく美しいけれど鉄道マニアの同級生雪風。
いつも二人一緒に鉄道模型を眺める、ただずっとそうしていたかっただけなのに、二人は成長するにつれて、どんどん顔が似ていきます。
旭川の狭い共同体の町では、明らかに浮いている、悪目立ちする二人。
二人の周囲で、心乱れたり、恨んだり、落ち着きをなくす、大人たち。
静かに静かに、それぞれの心や二人を取り巻く状況は変化していきます。
そうか、言われてみれば確かに恋愛小説なのですね。
でも全然ベタベタしてないので、気付かなかった
いや、“恋愛”であることは分かってましたが、それを含めての“少女の成長物語”だと思ってました。
人間関係が複雑で息苦しい設定のようですが、七竈の語り口が超然というか浮世離れしていて重くならない。
あと、七竈の家で飼われている犬が語る章などもあり、飽きさせず、面白かったです。
でも、「七人の可愛そうな大人」、誰と誰の事なのか、よく分からなかった
分かる人もいるけど、指折り数えても人数が合わない…?この人は入るの?違うの?
まあ、いつもは読まないようなジャンルだったけど、なかなかの収穫でした
ここで少し立ち読みができますよ ココ