本・宮部みゆき 「ぼんぼん彩句」

2023-12-06 06:00:00 | 図書館本 読書備忘録 

 作品紹介・あらすじ

「俳句」という僅か17音で作られた世界の奥にはどんな物語が潜んでいるのか。社会派からホラー、SFに至るまで、あらゆるジャンルに足跡を残してきた宮部文学の新たなる挑戦。繊細で彩り豊かに輝く12編の物語。

枯れ向日葵呼んで振り向く奴がいる 

鋏利し庭の鶏頭刎ね尽くす 

鋏利し庭の鶏頭刎ね尽くす 

鋏利し庭の鶏頭刎ね尽くす

散ることは実るためなり桃の花  

異国より訪れし婿墓洗う 

月隠るついさっきまで人だった

窓際のゴーヤカーテン実は二つ 

山降りる旅駅ごとに花ひらき 

薄闇や苔むす墓石に蜥蜴の子 

薔薇落つる丑三つの刻誰ぞいぬ 

冬晴れの遠出の先の野辺送り

同じ飯同じ菜を食ふ春日和

 

               

 読書備忘録 

同世代に人たちと15名でボケ防止カラオケを略して「BBK」という会をつくったそうで、そのメンバーを誘って俳句・・・楽しそうです。そのメンバーの皆さんの俳句からの小説。

ホラーかと思いきや、いろいろあって楽しめた。

結婚話を進めながら会社の同期の女と子供作ったり、一人息子が子供の頃好きだったすでに15で死んでいる子にいつまでも気味悪く一族して思っていたり、いったい何なの?な女が訪ねて来たり、もうそれ司法試験無理だから!と思っちゃう夫に入れ込んだり、マウントとる近所の主婦だったり、付き合ったらとんでもない男だったり、自分の娘の名前を間違える意地悪な母親!だが、祖父は残していたのね、だったり、トカゲを追いかけていたら人骨みつけちゃったり、大学でできた彼氏がイカレポンチだったり、やさしい兄だったのにとか・・・

「窓際のゴーヤカーテン実は二つ」このお話がいちばん好き!

これは一巻・・・二巻、三巻と続けたいと・・・

楽しみにしています。

★★★★☆