クレーターレーク
土曜日の朝、ようやく週末を迎えたという安堵はあったけれど、あまり嬉しくはなかった。今頃は岡山の山里ではカタクリが満開に
なっているだろう。イチリンソウも沢山咲いているに違いない。でも、緊急事態宣言下では県外に出て行くのは憚られるか・・・・。
それなら、北上してあの谷に降りればキバナサバノオが咲き始めているはずだ。でも、あの谷には独りでは降りられない。
だって、一度死にかけているから。何か起こった時に対処しようがない。何年か前、その谷底に鹿が死んでいたっけ。
雪の時期に谷に落ちて崖を登れなかったのだろう。
土曜日は朝から庭で立ち枯れたハナミズキを切り倒し、焚火ででも燃やせるようにした。薪ストーブを持っている友達に持って行って
貰っても良い。それから、メルカリで手に入れたホロホロ山ミヤマオダマキの種を蒔いた。矮性のミヤマオダマキだとか。
あとは、まだ芽を出さないカリガネソウとか桔梗の植えてある辺りの見てまわる。
連れ合いは庭に蔓延っているモントブレチアを絶滅する積りのようだ。欅の木の下にどんどん勢力を広げていて、水仙の間にも
蔓延って覆い尽くそうとしている。蕗でさえも追いやられてしまった。そのうえ、ロクに花も咲かせないのだ。そして、疲れ果てて夕方になった。
明けて日曜日。朝から雨が降っている。これから雨は本格的に降り続いて、風も吹き出すようだ。キバナサバノオを見に行くことも
諦めてソファーに座ってぼんやりと外を眺めている。
躑躅の花が咲き始めている。一番先に咲いた久留米躑躅はもう盛りを過ぎてしまったけれど、好みのシャクナゲ躑躅がそろそろ。
「さざなみ」に続いて、「クレーターレーク」が咲き始めた。シロバナ三つ葉躑躅も咲き始めているのだが、ソファーからは見えない。
雨の日の憂鬱。時間だけが過ぎて行く。