カラダよろこぶろぐ

山の記録と日々の話

浄土平の大失敗 その2

2008-07-10 | ヤマのこと

その1はこちらから

【7/6(日)4:00起床】

この日のスケジュールは5:30にテント場を出て、「一切経山」に登り、
五色沼を眺め高湯温泉方面へ下山、入浴して福島駅へ、というものだった。
5時間ほどの行程だったので、4:00起床じゃないと帰りのバスに間に合わない。
目覚ましもかけずにピタリ、と目が覚めた。

が・・・・

身体が・・頭が・・重い、キモチワルイ・・・
えっ?二日酔い????

無理やり起きるもまっすぐ歩くのがやっと。
フラフラしながらトイレに辿り着く。
なんとなく顔に違和感があったので、虫にでも刺されたかとトイレの鏡を恐る恐る顔を覗き込むと・・・

唇が・・・いかりや・・だ。
切れて腫れているようだ。

そういえば昨夜、このトイレに来る途中転んだかも?
右肩も痛い、どうやら顔から突っ込んだようだ。
おでこが・・・うっすら腫れている・・・
あれから何を飲んで何時に寝たのか?思い出せない・・・
記憶を失うほど飲むか、ワタシ。

・・・・最悪だ

テン場に戻り、無理やりコーヒーをいれ自分に渇を入れようとしたが無駄だった・・・
頭がクラクラして自分の身体すら支えられないのに、この荷物を背負って山に上がるなんて無謀だ。
自分の情けなさに半べそ状態で怒られるのを覚悟し、
寝ているダンナに今日の計画の断念を告げようとすると・・・

なんと、ダンナも・・・ヤラレテタ・・・

夫婦で山中(といっても車は入れる)で二日酔い。笑えない大失敗。
とりあえず諦めてもう少し元気になる事を夢見て二度寝することにした。
この時点では快晴だった。太陽がまぶしかった。
絶好の山登り日和なのに・・・ああ、ここに来るのに交通費一人2万円・・・


【7:00再び起床】
4:00に起きた時よりは元気になった。
ふらつきながらも頭は少し廻るようになっていた。
遅くてもココを8:30に出ないとバスの時間に間に合わない、慌ててダンナを叩き起こす。

鈍い動きながらもせっせと片付け始めた。
向こうから声がかかる。
「おはようございます!焼きそばいかがですかー?」
先生・・・元気すぎるヨ・・・

とにかく水分以外受け付けない二人。
それをみた奥様が、
「・・・なんか昨夜飲ませすぎちゃった見たいでごめんなさいね・・」
「いえいえ~」
と笑顔で振舞うも、自分の失敗に腹立たしいやら何やらで早くココを立ち去りたい


【8:30テント場出発】
元気を装いお二人に挨拶をして出発するも、
浄土平の駐車場まで歩いただけで息切れ、酒なんか大嫌いだー。
オマケに運んできた食材、夕べは先生があれこれ持ってきたからほとんど手をつけず、
今朝も一口も食べれなかったから、ムダに東京から背負ってきて背負って帰るだけ。
・・・・・・ああ、もう・・・・・ばかばかばか。

このまま下山となると浄土平12:00発までバスはない。
でも悔しがりのワタシはせめて温泉だけでも入りたかったので、
車道を歩いて「高湯温泉」まで行くのはどうか、と告げた。
推定所要時間3時間。
ダンナも下りだけなら何とかなるだろう、と賛成してくれた。

ここから必死の車道歩きが始まったのだった。
とにかく高湯温泉までたどり着かなければ帰れる足(バス)はないのだ。

写真さえ撮る気力もないのですべてザックにしまいこんだ。
一切経山の写真、明日撮ればいいや~なんて考えていたから、
結局一枚も撮っていなかった。後でいいや、は禁物でした!


(浄土平から10分くらいの場所?携帯カメラより)

火山特有の荒々しく怖いくらいの山肌の横に車道はある。
途中では「火山ガス注意!駐停車禁止!」なんて看板もあるからコワイヨー!
足早に歩く私。


(果てしなく続きそうな車道を、口を手ぬぐいでふさいで、
噴火口から出来るだけ離れて歩くささやかな抵抗のワタシ)

車道を選んだのは、もし、万が一途中で倒れても車が通りかかったら、
気付いてくれるだろう、という淡い期待からだった。

そこへ有料道路パトロール?の車が停まり、声をかけられた。
有料道路、歩くのもお金払うのか!・・・(バカだね~)

「きみたち高湯まで歩いていくの?」
「は、はい!」
「・・・そりゃごくろうさん・・・」
・・・乗せてくれないのか、やっぱし。でも無料なのね。

「不動沢まで行けば登山道で行けるから、そっちのほうが近いよ」
「はい、ありがとうございます」

車が何台も上がって来る。
車内の人には多分相当異様な二人に写っていただろう・・・(ハズカシかった)
当たり前だけど、誰も歩いてなんていないもん・・・

【11:00不動沢着】
不動沢には売店があった。

(携帯カメラから)

ここからはショートカットの登山道で高湯まで40分の予定。
コーラを飲んで元気付け、最後の一頑張りだ!

【11:45高湯温泉着】
登山道を出たとたん、硫黄の匂いが・・・
どこでもいい!汗を流したい!というわけでバス停が目の前の「安達屋」さんに決めた。
バスの時間が12:32なので大急ぎで温泉へ。
「まあ!浄土平から車道を歩いてきたの?それはそれは大変だったでしょう・・・ささ、早く温泉へ」
ここのおかみさんが優しい方で助かった。

ここは白濁の素晴らしいお湯でした。
短時間ではもったいないほどの広い露天風呂と源泉掛け流し。
1時間¥700でした。


(温泉内の撮影は禁止でした)


【12:32バス停安達屋発860⇒13:05福島駅到着】

温泉で汗を流したらスッキリしたけど、夕べからほとんど食べていなかった私たちはもうフラフラだった。
駅構内のお蕎麦屋さんに直行したが、お腹はすいていてもまだ半分程度しか口に出来ない
でも新幹線の時間にも間に合い、苦しい時間は終った。
なんとか東京まで帰れそうだ。

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そんな訳で、浄土平まで行って一切経山に登らずに帰ってきたという・・・
楽しい山旅になる予定だったのに、自分達の不甲斐なさからこんな結末に。
何より情けないのが「酒」にやられたということ。
お酒は好きだけどもともとそんなに強くはない二人、
最近年のせいかすぐに眠くなるし・・

落ち着いて見たら、転んだとき右肩から突っ込んだらしく、
買ったばかりのノースのFlyweight Jacket ¥16800にスライドした跡があり、
穴が開いていた・・・今回(だけ)は大いに反省したワタシでありました・・・


唇とおでこの傷は癒えず、飲んだくれて気付かなかった虫刺され。
腕や足はあちこち赤く腫れ上がりカユイのなんのって・・・
でもそれ以上にココロの傷が・・・


(おでこに傷3箇所・・・)

反省反省又反省・・・の旅でした。


つづきはお花レポ~。

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