カラダよろこぶろぐ

山の記録と日々の話

霊山・弥山(宮島)に登る

2009-12-03 | ヤマのこと

2009.11.20(金)のお話です。

初めて宮島へ行く私たち、

「弥山に登らずして宮島を論ずる勿れ」

と言われたら、山好きの端くれとして登らないわけには行きません。
朝一6:50羽田発の飛行機に乗り、広島駅へ。
JRと船を乗り継ぎ、宮島へ到着したのが10:30。
うーん、やっぱり飛行機は早い。家から群馬の赤城山登山口へ行くのと変わらないではないですか(笑)

2009年は超雨女の私。天気が悪くなる前に、どうしても弥山に登っておきたかったので、
「宮島」に到着後、観光協会で資料をもらい、わき目も振らず登山口へ。


平日でも観光客は一杯。団体客を掻き分け風情ある「滝小路」を抜けると・・・


「大聖院」に着きました。
3本ある登山ルートの中から、特に決めてはこなかったのですが、
見所が多そうな「大聖院ルート」を行くことに。ここからスタート。



このコースは階段が多いらしい・・・。「大聖院」の脇を上がって行きます。



のっけから結構崩れている山肌。痛々しいです、そして大丈夫なのかしら・・・
と理由は後で解ったのですが。



弥山は標高535m、でもほぼ海抜0メートルから登るので、甘く見てはいけません。
既に汗だくになっていますが、振り返ると「大鳥居」が見えていい感じです。


ほらね。もう半袖です(笑)気温も高いし、風もないし、人もいないし・・・
残念ながら紅葉する木はちらほらしかありませんでした。

途中「白糸の滝」や「賽の河原」のお地蔵様を見ながら、ひたすら階段を登ります。

「古くから参詣道として整備され、弥山道とも呼ばれます。石段の数は山頂まで2160段!
コース沿いには滝宮神社や白糸の滝があり、町(丁)石や石仏も多くみられます」

というコースだそうです。(後から知りました(~_~;)


登山口から50分ほどで、従来の道が崩れてなくなっている場所へ。
あ、そうか、あの時の・・・
厳島神社も被害に合ったあの台風の爪痕だったんですね。


第1堰堤到着。
その後に整備されたのか?ここから上はとても整った登山道でした。
でもここまでずっと階段、ずっと登り、で、やっと分岐(尾根)に到着。


ここまで3組ほどしかいなかった登山道。
この辺りからロープウエイで来た人たちか?人が増えてきました。
仁王門跡を抜けて・・・

 
大きな岩をくぐったりしながらとりあえず山頂を目指します。
お地蔵様に描かれた文字、一丁が109m、山頂までは二十四丁(約2.6km)あるそうです。
でも何丁まであるか調べないで来た私たちは、何丁がゴールなのか?賭けました。



さてこの辺りから「弥山七不思議」が見られるようになります。
これは「干満岩(かんまんいわ)」満潮時は溢れ、干潮時は乾く不思議な穴で、しかも塩分を含んだ水だそうで。
なんでこんな山頂近くに不思議~~~


花崗岩の風化作用で生まれた巨大な岩々が見えてきたら・・・

 
弥山山頂到着です~!観光客で一杯です。
ここにも鹿が一杯いるんですねー!ビックリ。

登山口から約1時間15分かかったので12:00過ぎ。朝5:00過ぎに朝食だったのでもうハラペコで・・・
何はともあれ、ランチタイム!鹿サンに悪いので、展望台の2階に避難。


展望台2階にはベンチがあったのでここで昼食。
これだけは絶対はずせない、と決めていた「あなごめし うえの」のあなごめし弁当¥1470。
船で宮島に渡る前に調達しておきました。

これが期待以上のお味!とにかくウマイ!
あなごが硬めですが香ばしく焼いてあって、酢飯に合うのなんのって!
へぎの折り箱に入った昔ながらの弁当、へぎの香りと相まって、
今まで食べたことのない味で大感動でした!もう一個食べたいほど。

 
山登りの後のご飯は最高でしたあっという間に平らげて、展望台の最上階に。
ちょっと雲はかかっていますが、ほぼ360度の眺望。
晴れていれば四国連山「石鎚山」も見えるそうだけど・・・(実はどれかが解らない)
でも初めて見る瀬戸内海の島々の美しさにうっとりでした。



やっぱり山頂の風は冷たく、冷えてしまったので山頂を後に本堂へ向かいます。


本堂の前の「霊火堂」には1200年絶えず燃え続ける「消えずの火」がありました。

 
大同元年(806年)、大聖院を開いた弘法大師(空海)が修行の際に焚かれてから、
今日まで途絶えることなく燃え続ける霊火。この火で沸かした霊水は万病に効くと云われているそうです。
元火でろうそくをつけ、「消えずの火」で沸かした白湯を頂きました。
御利益ありそう

 
右は「錫杖の梅(しゃくじょうのうめ)」(七不思議のひとつ)
八重の紅梅で、弘法大師が立てかけた錫杖が根をはり、ついには梅の木になったという不思議な話。
毎年美しい花を咲かせるが、山内に不吉な兆しがあると咲かないと云われているそうです
左は「くぐり岩」


時間がたっぷりあるので、「御山神社」へ行ったり、周辺を散策します。
奥の院はちょっと遠そうだったので行きませんでした。

登山道の分岐に戻り、弥山山頂から見えていた、気になるピークへ行ってみることに。



分岐から約10分で「駒ヶ林」へ。厳島合戦の舞台となったところらしいです。



長さ200m、高さ80mという大岩の上に登ってみると、素晴らしい景色が広がっていました。


正面に見える弥山山頂からにぎやかな声がここまで聞こえてきますが、ここは静かそのもの。

岩の陰に隠れていた鹿一頭と、私たちしかいません。
遠くにぽっかりと浮かぶ、瀬戸の島々の眺めと、ぽかぽか暖かい日差し。
いつまでもここで眺めていたいくらい気持ちの良い場所でした。



しばらくまったりし、大元コースで下山します。
付近一帯は弥山原始林と言われているそうで、風化が進んだ白い岩と、
ツガの緑がまるで高山のような景観を見せていました。

うっそうと茂る広葉樹の林の中を大元公園に向かって下っていきます。
途中岩屋大師などがありますが、あまり変化ない道なので
早起きのツケが今頃出てきて、眠かったです・・・が、なかなか急な坂道が続いていました。


緩やかになると、閑静な大元公園につきました。
平日のためか?とても静かでただただたくさんの鹿たちがくつろいでいました。

15:30、御手洗川に沿って、静かな車道歩き。
しばらくすると、潮が引き始めた「厳島神社」が見えてきました。


降りてみますが、まだ鳥居の下までは水が来ていて歩けません。
この日の干潮時刻は17:50頃。
一旦宿にチェックインしてから、また出直すことにしました。

弥山はこの地域の方たちには大変人気のある山のようで、
翌日の土曜日にもたくさんのハイカーたちが、ザックにストックをつけて登って行かれました。
ロープウエイで行けるので・・・・山?と思いがちですが、
昔は山岳宗教の対象の霊山としての山、
現在は東京で言えば「高尾山」や「大山」のような感じで、
登りは高尾山よりちょっとキツイけど、みんなの憩いの山、という印象でした。

宮島も神社周辺だけではやっぱり解らない。
弥山には昔から信仰の対象であったことを伺わせる史跡もあり、
島全体がとても大きくて奥深い。
「島自体が神と呼ばれる神秘の島」
と言われる意味が少しだけ理解できた気がしました。


やっぱり登ってよかった~


続きは旅行記で。(現在作成中・・・)

弥山登山=今日のコース、ゆっくり散策して所要時間約4時間30分でした。