カラダよろこぶろぐ

山の記録と日々の話

山で過ごす秋休み【岳沢~前穂高岳編】

2013-10-16 | ヤマのこと

2013.10.9(水)~10/12(土)上高地へ行ってきました。

ダンナの毎年恒例リフレッシュ休暇に合わせ、忙しい最中無理矢理もらった有給3日間。
去年の続きを笠までとかW五郎とかブナ立尾根からの裏銀座とか、歩きたいところは山ほどあったけど、
8月初旬に鹿島槍を歩いて以来、まともに山を歩いていない私。地図とにらめっこ&情報集めをするけれど、
10月のこの時期は昨年同様、既に小屋閉めしているところが多く、1日10時間ほど歩かねばならない区間もある。

仙骨がやっと治ったばかりで体調に自信が持てない上に、台風接近で天気が悪そう・・・。
だけどせっかく確保したお休みにどこにもいけないのは悲しすぎる!
ならば雨で歩けなかったとしても小屋で1日読書でも楽しめるエリアにしよう、
と急遽夜行バスをキャンセルし、営業小屋の多い上高地へ向かったのでした。



10/9、水曜日。この日は台風24号が通過する日。予定では少し西よりを通るとのことで、最悪の事態は免れそう。
今日は岳沢までだから何とかなるだろうと松本へ向かいましたが、上高地へ着いたらやっぱり雨・・・


 
しかも結構な降りっぷり^_^; 登山口までは平坦なので傘をさして行きました。


 
途中で雨が止んだり日が射したりと期待させられましたが、そう甘くはありませんでした。
全然風が吹いてない「風穴」を通り、樹林帯を抜けます。



ここ岳沢の紅葉のピークはちょっと前だったらしいです。
ガスっているのでイマイチですが、黄葉の美しい紅葉でした。


 
結局しっかりびしょ濡れになり「岳沢小屋」到着、この日は平日なので我々を入れて4組のみ。
こんな雨の日に物好きに登ってくる理由は、明日は台風一過で「晴」の予報だからです。
その翌日も雨予報になっています、お願い、明日一日のチャンス。どうか晴れて、と願うばかり。


 
(左:夕食  右:朝食)
小屋の夕飯は揚げたてのアジフライがとても美味しかったです。
明日を夢見て早く就寝。人が少ないので個室状態。
前日までの仕事疲れがあったのでゆっくりできて助かりました。



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夜遅くまで雨の音がしていたので気になって何度も目が覚めたけど、2時頃外を見ると星が一杯!
やった!期待できる、とまた寝なおして・・・朝。




小屋の前から見下ろす上高地は朝もやに包まれていました。
すっきり青空が広がる朝、緊張とワクワクが交差する一日が始まりました。


 
小屋の脇から前穂高までのCTは約3時間30分。岩稜歩きの経験はないに等しい私に歩けるのか不安・・・



イメージしていた通りに登り始めてすぐ急登になり、四肢を使って登って行く。のっけから息が切れる。
カモシカの立場に着く頃にはもう一汗かききってました。この時期にして本当に気温の高い上高地です。



岩をよじ登るような場所ではいつもナナメ掛けにしていたカメラがブラブラ邪魔で集中できない。
ザックの中にしまって、再度しっかり気を引き締めて歩くことにします。
経験者にアドバイスもらってザックも出来るだけ小さくして来たし、
昨日の雨の影響は少なく、岩も乾いている。何回か出てくる梯子も鎖も高度感なく怖いところはない。
むしろ怖いのは自分の体力のなさで・・・
ここに来る前にきちんとトレーニングしてこなかったことが悔やまれるけど・・・頑張るしかない。



「岳沢パノラマ」から後ろを振り返れば上高地ホテルの赤い屋根が小さい。
あんなに低く見えるようになった焼岳。いつも河童橋から見えていたあの斜面を今登っているんだね。


山歩きを始めたばかりの2007年に涸沢から見上げた「奥穂高岳」あんなところに小屋があるなんてと仰ぎ見た稜線。
あの頃、いつか行ける日が来るかな、と思っていたけどなかなかチャンスがなくて後回しになっていた。
これだけひっぱったのなら、奥穂高岳へ行くなら絶対”重太郎新道”から登りたい、そう決めていた。
りっぱな理由はないけれど、山歩きを続けていくうちに奥穂高岳はやはり特別な山だと感じ、
前穂高岳から目指してみたいと思ったから。

今回たまたまチャンスが巡ってきたのかもしれない、代替案だったけど気持ちだけは強く持ってここにきた。



経験がないのなら集中してひとつひとつ確かめながら登ろ。無心で登っていたら稜線がだいぶ近づいていた。
早くこの岩の向こう側の景色が見たい。



ところがだんだん稜線の向こう側の雲行きが怪しくなってきて・・・



雷鳥広場に着いた頃にはガスが。



腕がだいぶ疲れてきたなぁ、と思った頃、立ちはだかる斜面を登ると・・・



目の前に「紀美子平」が突然現れました。ここがあの紀美子平・・・。


岳沢から前穂高岳を目指していたのは小屋にいた我々4組だけ。平日だしこんな程度なんだと思っていたから、
紀美子平に着いて奥穂から来たらしき人達が10人ほどいて賑やかになって驚いた。

さて、ここでザックをデポして前穂高山頂をピストンしますが、ここまでの登りで相当疲れていた私。
登り始めの急斜面は疲れた身体にきつくて、休み休み登っていきました。
ダンナはあっという間に見えなくなり、一人ゆっくりと後を追います^_^;
こういう時、平日はやっぱりいい。自分のペースで登っていけるもんね。



途中まで来ると傾斜もほどほどになり登りやすくなりました。頑張れ、急げ!でも急げない・・・



ガスがーー!こないでー!


 
・・・という願い虚しくあたり一面真っ白で「前穂高岳3090m」山頂到着。
いま自分がどこに立っているのか?さっぱり解りませんでした・・・



 
待っていても晴れそうにもないので紀美子平まで戻りましたが、なんと往復に1時間20分もかかってた(笑)
お腹がペコペコだったので、岳沢小屋のお弁当を無心でほうばりました。




お弁当を食べながら眺める上高地。前穂高岳に登れた嬉しさはあるけれど、これからまだまだ先は長い。
天気は持ってくれるのだろうか。これから晴れてくれるのだろうか。お願いだから雨は止めてね・・・


吊尾根へつづく。



【行程】10/09 上高地バスターミナル12:15→岳沢小屋14:45
    10/10 岳沢小屋6:40→カモシカ立場7:50→雷鳥広場9:15→紀美子平9:35~前穂高岳~10:50
        紀美子平(昼食)出発11:30