■メイン写真
嶽弁天社が鎮座する弁天岳。かつて妙音坊という天狗が社殿を護っていたとか。
■今回のコース
極楽橋駅→(不動坂、いろは坂)→清不動堂→女人堂→弁天岳→大門→助け地蔵尊→
相ノ浦口女人堂跡→轆轤峠→小田原交差点→金剛峯寺→石川五右衛門の鎹→
千手院橋バス停→極楽橋駅
久しぶりに高野山へ。いろは坂から女人道の南半分を歩いてきた。
近畿各地が猛暑に見舞われる中、高野山も例外でなく、正午には30度を超えた。
当初の計画では奥の院まで歩くつもりだったが、やはり暑さがきつく、
お客様の脚が頻繁に攣るようになってきたので、轆轤峠で山行を切り上げた。
ほとんどの観光客がケーブルカーに乗り換えるだけの極楽橋駅で改札を出て。
極楽橋を渡る。
高野山参詣道・京大坂道の一部である不動坂を少し上ると、いろは坂と分岐する。
不動坂は石畳が敷かれているが、できるだけ山道を歩きたいので、いろは坂をとる。
途中、万丈転、岩不動などの旧跡を経ながら標高を上げていく。
いきなりの急坂で、汗が噴き出る。
一度、不動坂に合流する。
兒滝(稚児の滝)の滝音を聞いて、清不動堂(きよめのふどうどう)の横から、ふたたび
山道に入る。
清不動の裏側には、洞窟のようなトンネルがある。森林軌道の跡である。
トンネル内は崩落危険のため入れないが、覗くと向こうに光が見える。
バス道に出て、ほどなく女人堂に到着。現存する唯一の女人堂だ。
高野山は明治になるまで女人禁制だった。高野山に通じる参詣道は7本あり、
「高野七口」と呼ばれているが、女性が立ち入ることができたのは、それぞれの参道に
建つ女人堂までだった。
したがって女性たちは、御廟を拝むため、女人堂から女人堂へ、外八葉と呼ばれる
「外周道路」を歩いたという。これが女人道である。
なお、女人道や京大坂道不動坂は、2016年に世界遺産に追加登録されている。
汗で絞れるくらいになったハンドタオルを、女人堂のトイレですすいで"復活"させた。
お竹地蔵の右脇から、西へ向かう山道に入る。
説明看板のみの谷上女人堂跡を過ぎ、弁天岳の頂上へ。
嶽辨天社は、「高野七弁天」のひとつ。
展望に恵まれないのが残念。ちょっと伐ったら金剛山系が見えるはずだが、
世界遺産だから、そういうのは難しいのだろう。
南に下る。大門口女人堂跡を経て、朱の鳥居をいくつかくくぐって下ると、
大門に出る。
大門横のT字路にある温度表示計が30.3度を示していた。
何度もここに来ているが、ここが30度を超えるなんてめったにない。
こういう日の登山は、熱中症などに特に注意しなければならない。
助け地蔵尊の左から山道に入る。
一度、住宅街の端に出て、またすぐに山道に入る。
シカの食害がそれほどないのか、高野山周辺は背丈より高いササ薮が健在である。
古い道標に、趣を感じる。新しい説明看板もいいのだけれど。
開放的な尾根道になると、殺意を感じるような暑さが身に染みる。
相ノ浦口女人堂跡に到着。
相ノ浦は、南側の笠松峠を経て下ったところの集落で、有田川流域の上流にあたる。
鉄塔跡の小ピーク、TV塔が建つ小ピークを経て、轆轤峠に到着。
大滝口女人堂の跡地である。
女性たちは、この峠から「ろくろ首」のように首を伸ばして山内を見たことから
峠の名がついた。また、ここは熊野古道・小辺路とルートが重複している。
やはり異常な暑さが気になるので、残念だがここで下山することを決定。
国道に出る途中、ちょうどヘビがカエルを呑みこむ瞬間に出くわした。
胡麻豆腐の「濱田屋」さんの前を通り、小田原交差点へ下る。
国道を渡って斜め向かいの、やはり胡麻豆腐の「角濱」さんが開いたカフェに飛び込む。
冷房が効いた店内で冷たいスイーツを楽しみ、沸騰しそうな身体を冷やした。
高野山に来たならば、やっぱりどこかお寺にお参りしないと。
ということで金剛峯寺へ。
石川五右衛門の鎹(かすがい)。
大泥棒の石川五右衛門が、高野山に忍び込んだとき、身体検査でバレないように
石垣の間に鎹を隠したと伝わる。鎹は、石垣をよじ登るために使うものだ。
ブラタモリで紹介されて以来、ここに寄るようにしているが説明板などいない。
バスに乗り、ケーブルの高野山駅へ。帰りはケーブルカーでラクラク。