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■メイン写真
大国見山山頂から奈良盆地を見下ろす
■今回のコース
桃尾の滝前バス停→桃尾の滝→大親寺→大国見山→林道終点→八つ岩→上入田バス停
つかの間の梅雨の晴れ間を利用して、奈良県天理市にある大国見山へ。
大国見山へは何度も登っているが、今回は、西尾根をたどったところにある
磐座・八つ岩をこの目で確かめるのが本当の目的だ。
初瀬、巻向、天理から大和高原へかけての里山は、古代の磐座信仰の痕跡が
多く残っている。なんの変哲もない里山に突然、巨岩が出現する唐突さと、
磐座周辺にただよう神秘的な雰囲気に惹かれてしまうものだ。
いろいろ調べても、あまりに古すぎて由緒などがハッキリしないものが多い。
そこがまた、ロマンをかき立てる。
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国道25号線で滝本集落へ。桃尾の滝への分岐には標識が立つ。
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さっそく、1mもあろうかという蛇がお出迎え。
この日の目的・八つ岩に残る八岐の大蛇(やまたのおろち)伝説が脳裏をかすめる。
おお、自分は八つ岩の神に「今日、来てもいいよ」と言われているのだろうか。
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昨日までの雨で、沢の水量は多め。これはまだ桃尾の滝ではない。
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桃尾の滝。高さ23m、説明板に「大和高原の西端を南北に走る春日断層崖の中では
最大の滝」とある。
かつてここにあった修験の寺・龍福寺は、明治5年の修験禁止令の影響で廃寺。
悲しい過去がある。今でも毎年7月の第3日曜日に「滝開き」の神事が行われる。
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登山口には大きな説明板がある。
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簡易コンクリート舗装で非常に滑りやすくなっている道が続く。
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路傍には石仏が多い。
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龍福寺の規模の大きさを垣間見ることができる。
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もとの龍福寺境内は、現在は大親寺となっている。苔が美しい。
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大国見山への山道。たまたまこの日は、増水した沢の中を少し歩く場面もあった。
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やがて尾根筋に乗る。名阪国道方面への分岐を過ぎる。
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大きな岩が散在する急坂を登り切ったところが、大国見山の山頂だ。
天理市、大和郡山市あたりが見下ろせる。
ここからは踏み跡が薄くなるが、西へ延びる尾根をたどっていく。
何度か読図しながら進むのも楽しい。
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暑い日ではあったが、途中の小ピークに立つと、涼しい風が吹き抜けていて
かなり心地よかったので、ここでランチをとった。
ザックを下ろすと、ジャノメチョウ(これはクロヒカゲかな?)が汗の水分と塩分を
求めてザックにたかってきた。
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この先はちょっとした薮も抜けつつ、本来の里山歩きの面白さがある。
ふと幅広の作業林道跡に出たかと思うと、ほどなく左に「八つ岩」への標識を
みつけた。
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ササが茂る道は、古い木段が続く。
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おおっ、この磐座かっ!
天理市観光協会のホームページによると(要約)、
「石上神宮の奥の宮として崇められる。昔、出雲の国のひの川に住んでいた
八岐の大蛇は、一つの身に八つの頭と尾とをもっていた。
素戔鳴尊(スサノオノミコト)がこれを八段に切断すると、八つ身に八つ頭が
取りつき、八つの小蛇となって天へ登り、水雷神と化した。
そして、天のむら雲の神剣に従って大和の国の布留川の川上にある日の谷に
臨み、八大竜王となった。今、そこを八つ岩という。」とある。さらに、
「天武天皇のとき、布留の物部邑智という神主があった。ある夜、夢を見た。
八つの竜が八つの頭を出して一つの神剣を守って、出雲の国から八重雲に
のって光を放ちつつ布留山の奥へ飛んできて山の中に落ちた。
邑智は、夢に教えられた場所に来ると、一つの岩を中心にして神剣が
刺してあり、八つ岩は、はじけていた。そして一人の神女が現れて、
『神剣を布留社の高庭にお祀りください』という。そこで、布留社の南に
神殿を建て祀ったのが、今の出雲建雄神社(若宮)である。」
なかなか興味深い謂れがあるのだ。
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下山は、福住インターにある奈良交通の上入田バス停をめざす。
作業林道に戻ると、マタタビの花が咲いていた。
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車止めゲートを越え、舗装道のT字路を左へ。
広い造成地に、新しい工場ができつつあった。
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そのあとはのどかな農村を歩く。
ムラサキカタバミ。
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ハナショウブ。黄色いのも、白いのも見かけた。
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バス便が少ないため、道迷いしたときのことを考えて十分に時間の余裕を
もたせたが、案外あっけなく歩けてしまったので、次のバスが来るまで
1時間30分もある。この暑いのに、日なたで立ちっぱなしではたまらん。
バス停前に喫茶店を見つけたので、ここでレモンスカッシュを頼み、
バスが来るまで長居させてもらった。ありがとうね。おばちゃん。
※初心者から楽しめる遊山トレッキングサービスの登山教室は、「ここをクリック」!!
大国見山山頂から奈良盆地を見下ろす
■今回のコース
桃尾の滝前バス停→桃尾の滝→大親寺→大国見山→林道終点→八つ岩→上入田バス停
つかの間の梅雨の晴れ間を利用して、奈良県天理市にある大国見山へ。
大国見山へは何度も登っているが、今回は、西尾根をたどったところにある
磐座・八つ岩をこの目で確かめるのが本当の目的だ。
初瀬、巻向、天理から大和高原へかけての里山は、古代の磐座信仰の痕跡が
多く残っている。なんの変哲もない里山に突然、巨岩が出現する唐突さと、
磐座周辺にただよう神秘的な雰囲気に惹かれてしまうものだ。
いろいろ調べても、あまりに古すぎて由緒などがハッキリしないものが多い。
そこがまた、ロマンをかき立てる。
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国道25号線で滝本集落へ。桃尾の滝への分岐には標識が立つ。
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さっそく、1mもあろうかという蛇がお出迎え。
この日の目的・八つ岩に残る八岐の大蛇(やまたのおろち)伝説が脳裏をかすめる。
おお、自分は八つ岩の神に「今日、来てもいいよ」と言われているのだろうか。
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昨日までの雨で、沢の水量は多め。これはまだ桃尾の滝ではない。
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桃尾の滝。高さ23m、説明板に「大和高原の西端を南北に走る春日断層崖の中では
最大の滝」とある。
かつてここにあった修験の寺・龍福寺は、明治5年の修験禁止令の影響で廃寺。
悲しい過去がある。今でも毎年7月の第3日曜日に「滝開き」の神事が行われる。
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登山口には大きな説明板がある。
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簡易コンクリート舗装で非常に滑りやすくなっている道が続く。
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路傍には石仏が多い。
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龍福寺の規模の大きさを垣間見ることができる。
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もとの龍福寺境内は、現在は大親寺となっている。苔が美しい。
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大国見山への山道。たまたまこの日は、増水した沢の中を少し歩く場面もあった。
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やがて尾根筋に乗る。名阪国道方面への分岐を過ぎる。
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大きな岩が散在する急坂を登り切ったところが、大国見山の山頂だ。
天理市、大和郡山市あたりが見下ろせる。
ここからは踏み跡が薄くなるが、西へ延びる尾根をたどっていく。
何度か読図しながら進むのも楽しい。
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暑い日ではあったが、途中の小ピークに立つと、涼しい風が吹き抜けていて
かなり心地よかったので、ここでランチをとった。
ザックを下ろすと、ジャノメチョウ(これはクロヒカゲかな?)が汗の水分と塩分を
求めてザックにたかってきた。
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ふと幅広の作業林道跡に出たかと思うと、ほどなく左に「八つ岩」への標識を
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ササが茂る道は、古い木段が続く。
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おおっ、この磐座かっ!
天理市観光協会のホームページによると(要約)、
「石上神宮の奥の宮として崇められる。昔、出雲の国のひの川に住んでいた
八岐の大蛇は、一つの身に八つの頭と尾とをもっていた。
素戔鳴尊(スサノオノミコト)がこれを八段に切断すると、八つ身に八つ頭が
取りつき、八つの小蛇となって天へ登り、水雷神と化した。
そして、天のむら雲の神剣に従って大和の国の布留川の川上にある日の谷に
臨み、八大竜王となった。今、そこを八つ岩という。」とある。さらに、
「天武天皇のとき、布留の物部邑智という神主があった。ある夜、夢を見た。
八つの竜が八つの頭を出して一つの神剣を守って、出雲の国から八重雲に
のって光を放ちつつ布留山の奥へ飛んできて山の中に落ちた。
邑智は、夢に教えられた場所に来ると、一つの岩を中心にして神剣が
刺してあり、八つ岩は、はじけていた。そして一人の神女が現れて、
『神剣を布留社の高庭にお祀りください』という。そこで、布留社の南に
神殿を建て祀ったのが、今の出雲建雄神社(若宮)である。」
なかなか興味深い謂れがあるのだ。
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下山は、福住インターにある奈良交通の上入田バス停をめざす。
作業林道に戻ると、マタタビの花が咲いていた。
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広い造成地に、新しい工場ができつつあった。
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そのあとはのどかな農村を歩く。
ムラサキカタバミ。
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ハナショウブ。黄色いのも、白いのも見かけた。
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バス便が少ないため、道迷いしたときのことを考えて十分に時間の余裕を
もたせたが、案外あっけなく歩けてしまったので、次のバスが来るまで
1時間30分もある。この暑いのに、日なたで立ちっぱなしではたまらん。
バス停前に喫茶店を見つけたので、ここでレモンスカッシュを頼み、
バスが来るまで長居させてもらった。ありがとうね。おばちゃん。
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