■メイン写真
「コケ愛」があふれる説明をする水野ガイド。無邪気なキャラクターも最高。
■今回のコース
大和上市駅⇒宮滝・ハルカノ谷駐車場→高滝→宮滝御園分岐→横川覚範の首塚→しだのすみか→
金峯山寺→吉野駅
コケをこよなく愛し、コケを深く学び、コケに心から癒される登山ガイド・水野由香さんを
お迎えする、第2回目のコケ観察ハイク。今回は春の吉野山である。
吉野山と言っても、メインとなる舞台は、いわゆる「桜の吉野」エリアではなく、
宮滝から吉野方面の、沢沿いのルートなのである。
コケとの出会いは、なんと集合場所の近鉄大和上市駅から早くも始まった。
駅前の植え込みに、なにやら、我々コケ初心者が大喜びできるコケが見つかったのだ。
それはスナゴケ。
水野ガイド、おもむろに水が入った霧吹きを取り出し、乾いたスナゴケに吹きかける
すると、みるみるうちにスナゴケが開いていくのがわかる。
コケがこんな短時間で形を変えるとは。
その隣にはハイゴケ。
ハルカノ谷駐車場にクルマを置き、さあスタートと思ったら、さっそくのお出ましは
この季節にかわいらしい丸い葯を伸ばすタマゴケ。
白いショウジョウバカマも咲いていた。
谷筋の山道には、いろんなコケが続けざまに出現する。
クジャクゴケ。
サワゴケ。
タマゴケに似た、ボール状の葯をつける。
コツボゴケ。
ムチゴケ。
よく見たら、細い鞭のようなものが出ている。
シッポゴケ。
オオシラガゴケ。
ジャゴケ。
蛇の皮のような模様がある。
ホウオウゴケ。
トラノオゴケ。
高滝に寄り道。この日は一昨日までの雨のおかげで水量が豊富で迫力満点だった。
葯がぴょんぴょん(笑)。
湧き水がコケの上にポタポタ垂れて流れていく。
ルーペで観察するもよし、スマホの接写機能で写真を撮るのもよし。
リコーのコンパクトデジカメは1cmまで寄って接写できるのが強み。
シノブゴケ。
コスギゴケ。
葉っぱの上に生えるのはカビゴケ。
ジャゴケの葯。
ムクムクゴケか?
ヒノキゴケ。
チョウチンゴケ。
ホソバオキナゴケ。
上流の滝には名前がないが、落差、形とも申し分ない。
コショウノキの花が咲いていた。
ホソバオキナゴケの丸いコロニー
宮滝は吉野町のセラピーロードに指定されていて、その拠点「やすらぎ広場」の
横を通る。ハンモックがかかっていたりするが、通りすがりの一般人は立ち入りできない。
イクビゴケ。
石畳の道を上がると、いわゆる"吉野山"からの道に出合う。
ジンガサゴケ。
上千本に出て、蔵王堂を見下ろす。
サクラは3月の低温が響き、この日、下千本でもほとんど開花していなかった。
その中で気を吐いていたのがこのシダレザクラ。
上千本御幸の芝展望台からの眺め。
ここからのサクラがいちばん綺麗だった。
シダを愛してやまない「シダちゃん」の拠点「しだのすみか」が、開花期間中、
小さなお店を開いているので、寄ってみた。
シダちゃんには以前、ここ吉野でシダ観察ハイキングの講師をお願いした。
この日も、家の周りにあるカタヒバやトクサなどの説明をしてもらった。
ここでMr.Dashはクルマを取りに、皆さんと別れて往路を急ぎ戻った。
出発して7時間近く経っているのに、1人で引き返すと50分で戻れた(笑)。
ご一行はこのあと、グルメ散歩。葛のスイーツなど、お好みのものを楽しんで、
吉野駅へ向かった。
サクラがなくても、充実の山歩き。こういうの、面白い!!