この週は月曜から金曜までずっと、会社の居室を最後に戸締りするほどり多忙。
加えて土曜出勤というすさまじさ。
(これまで会ったことがなかった某出版社の編集長さんに会えた貴重な週だったが)
そんな激務のあとなのに、どうして日曜日の朝5時に起きて、独り山に行くのか…
「仕事のために仕事している」なのでなく、「山に行くために仕事している」から。
単純な理由だ。
東京はここ数日冷え込んで、山間部では雪も降ったそうだが、今日は快晴。
目指すは川苔山である。関東に移ってから5度目の山は、ようやくハイキングレベルから
脱し、少し登山の要素が含まれる行先となった。
奥多摩駅まで、いろいろ電車を乗り換えるのだが、今日は幸運にもすべてに座れ、
すべてで爆睡した。おかげ睡眠不足も少しは解消できた。
西東京バスの東日原(ひがしにっぱら)行きに乗り、川乗橋で下車。
「川苔山(かわのりやま)」、「川乗橋(かわのりばし)」と、「のる」の漢字が
異なるが、国土地理院地形図では山の方も「川乗山」となっている。
もろもろの資料では「川苔」が正しいとのこと。
バス停を下り、ストレッチして体をほぐす。
9:00前、ゲートを擦り抜ける。しばらく林道を延々歩く。
川乗谷は時折美しい滝を懸け、上から見ていて遡行意欲を掻き立てられる。
もっとも、途中の聖滝には、悲しくもおどろおどろしい伝説があるようだ。
碧空が岩壁に映える。これは笙ノ岩山から延びる尾根の果てであろうか。
細倉橋を渡り、ミニ発電設備のところから山道に入る。
登山道には雪がうっすらと積り、それが踏み固められてツルツルに凍結していた。
道の片側は切れ落ちており、沢に転落でもしたら、ひとたまりもない。
特に木製の桟道が危なく、ヒヤヒヤしながら渡る。
このあたりで、これほど雪があるとは。
今日は油断してアイゼンを持っていないし、第一、靴はローカットのアプローチシューズだ。
まあ、行けるところまで行ってダメなら引き返そう。
おっかなびっくりであるが、百尋ノ滝に着いた。落差30mあるという。
すごい迫力だが、滝の方から吹き付ける冷風のため、早々に退散。
急登をこなし、ふと南西を振り返ると、おそらく六ツ石山と石尾根であろう、
なだらかな山稜が見えた。しかし、この白さに我が行く先を案じざるを得ない。
案の定、標高を稼ぐにつれ雪は深くなってきた。
トレースがきちんとしているのでローカットの靴でも大丈夫だ。
それでもアイゼンがないのはハンデであり、アイゼンもストックも完全装備の
他のハイカー達とほぼ同じスピードしか出ない。
やがてトレースが二分した。地図でもよくわからない。
初めての山で、いきなり高度な判断が求められる局面だ。
右を選んだが、これは結果的には正規のルートを外したことになった。
トレースはあるが、小尾根のものすごい急坂となる。若者2人パーティに
敢えなく抜かれる始末。それにしてもラッセル寸前。靴に雪の侵入はない。
結局、登っていたのは本来の登山道の一つ東側の尾根。
ポンと広い山道に出て、右にちょっと登ったら、目指す川苔山の山頂に着いた。
富士山や雲取方面の眺めがすばらしく、苦しかった登高もすっかり忘れる。
三角点はご覧のように雪の中だ。
昼食のラーメンをすすっていると、さっきまで抜きつ抜かれつしていた
ハイカー達が続々と到着してくる。正規のルートをうまく歩いてきたようだ。
挨拶を交わし、互いにねぎらう。
こちらは靴の浸水が怖いのと、下り坂が凍結でもしていたら異常に時間がかかると
考えられるので、長居せず下山する。
慎重に慎重に、舟井戸に向かって下りる途中、ダケカンバを見つけた。
この標高では珍しいのではなかろうか。まだこの付近の植生はよく知らないが。
舟井戸、大タワと難所もなく、快調に下山できた。
植林なので雪があまり落ちてこなかったようだ。
大根山ノ神の手前で一旦、林道に下りる。
林道を歩くのはせいぜい50mばかり。ふたたび山道に入ったら、
小さな祠があった。これが大根山ノ神。
最後は熊野神社に立ち寄る。
イチョウの大木があるが、これの根が乳状に垂れ下っているのが珍しい。
JR鳩ノ巣駅に着いたのは14:00。
コースタイム6時間35分のところ、今日は撮影、昼食含め5時間。
慎重に行ったつもりが、かなり巻いていた。
気が張っていたせいか、帰りの電車ではまたも爆睡。
次からはハイカットの靴、ストックとスパッツ、アイゼンは必須だな。反省。
加えて土曜出勤というすさまじさ。
(これまで会ったことがなかった某出版社の編集長さんに会えた貴重な週だったが)
そんな激務のあとなのに、どうして日曜日の朝5時に起きて、独り山に行くのか…
「仕事のために仕事している」なのでなく、「山に行くために仕事している」から。
単純な理由だ。
東京はここ数日冷え込んで、山間部では雪も降ったそうだが、今日は快晴。
目指すは川苔山である。関東に移ってから5度目の山は、ようやくハイキングレベルから
脱し、少し登山の要素が含まれる行先となった。
奥多摩駅まで、いろいろ電車を乗り換えるのだが、今日は幸運にもすべてに座れ、
すべてで爆睡した。おかげ睡眠不足も少しは解消できた。
西東京バスの東日原(ひがしにっぱら)行きに乗り、川乗橋で下車。
「川苔山(かわのりやま)」、「川乗橋(かわのりばし)」と、「のる」の漢字が
異なるが、国土地理院地形図では山の方も「川乗山」となっている。
もろもろの資料では「川苔」が正しいとのこと。
バス停を下り、ストレッチして体をほぐす。
9:00前、ゲートを擦り抜ける。しばらく林道を延々歩く。
川乗谷は時折美しい滝を懸け、上から見ていて遡行意欲を掻き立てられる。
もっとも、途中の聖滝には、悲しくもおどろおどろしい伝説があるようだ。
碧空が岩壁に映える。これは笙ノ岩山から延びる尾根の果てであろうか。
細倉橋を渡り、ミニ発電設備のところから山道に入る。
登山道には雪がうっすらと積り、それが踏み固められてツルツルに凍結していた。
道の片側は切れ落ちており、沢に転落でもしたら、ひとたまりもない。
特に木製の桟道が危なく、ヒヤヒヤしながら渡る。
このあたりで、これほど雪があるとは。
今日は油断してアイゼンを持っていないし、第一、靴はローカットのアプローチシューズだ。
まあ、行けるところまで行ってダメなら引き返そう。
おっかなびっくりであるが、百尋ノ滝に着いた。落差30mあるという。
すごい迫力だが、滝の方から吹き付ける冷風のため、早々に退散。
急登をこなし、ふと南西を振り返ると、おそらく六ツ石山と石尾根であろう、
なだらかな山稜が見えた。しかし、この白さに我が行く先を案じざるを得ない。
案の定、標高を稼ぐにつれ雪は深くなってきた。
トレースがきちんとしているのでローカットの靴でも大丈夫だ。
それでもアイゼンがないのはハンデであり、アイゼンもストックも完全装備の
他のハイカー達とほぼ同じスピードしか出ない。
やがてトレースが二分した。地図でもよくわからない。
初めての山で、いきなり高度な判断が求められる局面だ。
右を選んだが、これは結果的には正規のルートを外したことになった。
トレースはあるが、小尾根のものすごい急坂となる。若者2人パーティに
敢えなく抜かれる始末。それにしてもラッセル寸前。靴に雪の侵入はない。
結局、登っていたのは本来の登山道の一つ東側の尾根。
ポンと広い山道に出て、右にちょっと登ったら、目指す川苔山の山頂に着いた。
富士山や雲取方面の眺めがすばらしく、苦しかった登高もすっかり忘れる。
三角点はご覧のように雪の中だ。
昼食のラーメンをすすっていると、さっきまで抜きつ抜かれつしていた
ハイカー達が続々と到着してくる。正規のルートをうまく歩いてきたようだ。
挨拶を交わし、互いにねぎらう。
こちらは靴の浸水が怖いのと、下り坂が凍結でもしていたら異常に時間がかかると
考えられるので、長居せず下山する。
慎重に慎重に、舟井戸に向かって下りる途中、ダケカンバを見つけた。
この標高では珍しいのではなかろうか。まだこの付近の植生はよく知らないが。
舟井戸、大タワと難所もなく、快調に下山できた。
植林なので雪があまり落ちてこなかったようだ。
大根山ノ神の手前で一旦、林道に下りる。
林道を歩くのはせいぜい50mばかり。ふたたび山道に入ったら、
小さな祠があった。これが大根山ノ神。
最後は熊野神社に立ち寄る。
イチョウの大木があるが、これの根が乳状に垂れ下っているのが珍しい。
JR鳩ノ巣駅に着いたのは14:00。
コースタイム6時間35分のところ、今日は撮影、昼食含め5時間。
慎重に行ったつもりが、かなり巻いていた。
気が張っていたせいか、帰りの電車ではまたも爆睡。
次からはハイカットの靴、ストックとスパッツ、アイゼンは必須だな。反省。