私のこのブログはgoo blogによるものです。そのため、gooのニュースページなどを読むことも多いのです。
2020年4月7日にgooのニュースなどを見ていたら、昨日付で「【東京都】読めたらすごい『難読駅名』ランキング」(https://ranking.goo.ne.jp/column/6495/)という記事が掲載されていたので、読んでみました。
1位から60位まで掲載されていました。1位は青梅線にある軍畑(いくさばた)駅,2位は都電荒川線の庚申塚(こうしんづか)停留所(新庚申塚停留所もありますが)、3位は東急大井町線の九品仏(くほんぶつ)駅です。
そのページにある駅名の全てを、私は読めました。東京都内の鉄道については、五日市線と上野モノレール(休止中。もしや廃止?)以外の全路線を利用しましたし、庚申塚停留所の隣の新庚申塚停留所は早稲田大学などへ行く時に利用し、九品仏駅は大井町線で通ります(九品仏で有名な浄真寺に行ったこともあります)。
60位までの中には「これのどこが難読駅名だよ」と言いたくなるものもありました。例えば、50位の水天宮前(すいてんぐうまえ)駅、53位の神谷町(かみやちょう)駅です。水天宮前駅の所在地は日本橋蛎殻町(にほんばしかきがらちょう)であり、当初は「蛎殻町」という駅名が予定されていたという話を聞いたことがあります。これならば難読駅名の中に入るでしょう。また、4位に入っている荏原中延(えばらなかのぶ)駅も、どこが難読駅なのかよくわかりません。まあ、東急沿線に住んでいるから荏原中延だの荏原町(えばらまち)だのと読めるのかもしれませんが、この辺りは1932年から1947年まで荏原区でした。ちなみに、東急田園都市線には江田(えだ)駅がありますが、所在地は青葉区の荏田町(えだちょう)です。
また、難読駅名というより紛らわしい駅名というほうがよいのではないかとおもうものもあります。その代表が、gooのページでは水天宮前駅と同じ50位の西武池袋線の江古田駅です。江古田と書いて「えこだ」と読むのですが、都営大江戸線には新江古田という駅があり、こちらは「しんえごた」です。同じ江古田と書くのに読み方が違います。理由はわからないそうです。なお、両駅は所在地も異なり、江古田駅は練馬区に、新江古田駅は中野区にあります。
また、41位に入っている、東北本線の尾久駅も紛らわしい駅名というべきものでしょう。駅名は「おく」と読むのですが、何故このように読ませるのかがわかりません。尾久駅は北区にありますが、地名としての尾久(厳密には東尾久と西尾久)は荒川区にあり、尾久と書いて「おぐ」と読みます。都電荒川線には東尾久三丁目(ひがしおぐさんちょうめ)停留所があります。
一方、納得のいく部分もありました。まず、東京都内で難読駅名が多いと言えば青梅線でしょう。堂々1位の軍畑駅を始め、6位の小作(おざく)駅、8位の河辺(かべ)駅、13位の福生(ふっさ)駅、27位の古里(こり)駅、31位の二俣尾(ふたまたお)駅、45位の青梅(おうめ)駅が入っていました。不思議なのは、何故に御嶽(みたけ)駅がランク外であったのかということです。東急池上線の御嶽山(おんたけさん)駅は24位に入っているので、なおさらです。御嶽山は長野県にある山としても有名なので、青梅線の御嶽駅のほうがよほど難読だと思うのです。
東急線の駅がいくつかランクに入っていましたが、いずれも大井町線にある九品仏駅と、22位にランクされている等々力(とどろき)駅は納得がいきます。現在、私が使っているMacBook ProではMacの日本語入力でも「くほんぶつ」と打ち込めば九品仏と変換できますが、かつて私が持っていたフィーチャーフォン(ガラケー)では「くほんぶつ」と打ち込んでも漢字変換ができなかったのでした。一方の等々力駅は私の小学生時代から東急屈指の、あるいは最高の難読駅として知られていました。私が幼い頃から読めたのは、川崎市高津区の隣の中原区にも等々力という地名があり、等々力緑地などによく行っていたからです。昨年秋の台風で大きな被害を蒙った市民ミュージアムの所在地でもありますし、サッカーファンの方なら等々力スタジアムを御存知でしょう(最寄り駅を間違えないでください。等々力駅ではありません)。ちなみに、「とどろき」と読ませる駅名は青森県にもあり、驫木と記します。五能線の駅です。また、かつては和歌山県にもありましたが、こちらは動木と記しました。既に廃止されて久しい野上電気鉄道の駅です。
今回のランキングに入っている駅で「今ここで漢字で書け」と言われて最も困るのは、53位に入っている東京メトロ有楽町線の麴町(こうじまち)駅でしょう。私は地方自治総合研究所へ行く時などに利用していますし、かつては日本テレビの本社もすぐそばにありましたので有名でもあるのですが、実はこの駅の漢字が厄介で、gooのページでも文字化けなのか漢字が表示されていません。
この駅は、よく、次のように書かれます。
麹町
しかし、東京メトロのサイトなどを見る限り、正式には
麴町
と記すようです。難読、かつ漢字で書きづらい(書けない)ということで、真の東京一は麴町駅ではないかと思えるほどです。
それにしても、東京都内の駅名は「難読というにはまだ甘い」と言われるものばかりだな、と評価されそうです。三代目三遊亭圓歌師匠の落語「中沢家の人々」にも登場する、山形県にある奥羽本線の及位駅、および、山口県にある山陰本線の特牛駅という双璧は、ファンの間では有名です。及位は「のぞき」、特牛は「こっとい」と読みます。どうやら、この両駅が東西両横綱の地位にあるとされているようで、難読駅名というと必ず引き合いに出されます(珍名とも言えるのかもしれません)。
また、北海道にも難読駅名が多いのですが、これは多くの場合にアイヌ語の音訳、つまりアイヌ語の発音を聞いた日本人が漢字を当てはめたからでしょう。宗谷本線にある雄信内(おのっぷない)駅、留萌本線にある秩父別(ちっぷべつ)駅のように、知らなければ読めないような駅名もあります。また、歌志内と砂川のように、同じアイヌ語の言葉を片や音訳し(歌志内)、片や意訳した(砂川)というものもありますし、札幌市にある月寒のように、元々は「つきさっぷ」と読んでいたのが「つきさむ」と読むようになったというような例があります(「つきさっぷ」と読ませる駅はかつて千歳線にありました。一方、札幌市営地下鉄東豊線にある月寒中央駅のほうは「つきさむちゅうおう」と読みます)。
駅名ではないのですが、我が川崎市高津区には千年という地名があります。川崎市で一番かどうかわかりませんが、難読地名です。「ちとせ」と読みます。隣の子母口は「しぼくち」、その隣の明津は「あくつ」です。
地名、人名などの固有名詞には、読み方に苦労するものが少なくありません。日本橋と書いて、東京では「にほんばし」、大阪では「にっぽんばし」と読むように。でも、少し調べてみたりすると面白いものです。
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