厳しい残暑が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。今回は、大分市の南部から、市内で最ものどかな駅の、夏の風景をお届けします。
ここは豊肥本線の無人駅、竹中駅です。大分から上り列車に乗ると大分市内で最後の駅になります。所在地は大字竹中ではなく、少し南に離れた大字端登にあります。竹中中学校などは、駅からかなり離れています。
なお、以前「待合室」で紹介した河原内も、この駅からが一番近いのですが、相当の距離を歩くことだけは覚悟して下さい。おそらく、1時間以上かかります。この駅前にはバスも通りません。
同じ無人駅でも、滝尾駅(大分の次)であれば自動券売機が置かれていますが、竹中駅にはありません。写真に登場するようなワンマンカーに乗る時、整理券を取ります。そして、着駅で清算します。無人駅、または時間帯によっては駅員がいない駅(敷戸、大分大学前、中判田など)で降りる場合には、車内で運賃を払います。
撮影したのは土曜日の午後です。駅舎内に人はおらず、ホームにもお客さんらしい人はいなかったのでした。降りる人もあまりいないようです。1両編成のディーゼルカー、キハ125は、特急あそ4号の通過を待っていました。ちなみに、この日、私は車を運転していました。
この写真の反対側には大野川が流れており、その向こうに国道10号線が通っています。以前、自宅からこの駅まで歩いたことがありまして、国道10号線経由で敷戸、判田、中戸次、大塔、上戸次小学校経由で周ったため、15kmほど、3時間弱でした。この駅から敷戸まで列車に乗ったのですが、夜だったこともあって、ホームで列車を待っていたのは私だけ、乗客も2人か3人しかいません。わびしさを覚えましたが、時々、無人駅のこうした雰囲気を求めたくなります。別の日、土曜日の昼下がりにもこの駅まで歩き、ホームで山を見ながら考え事をしたことがあります。孤独が好きなのかもしれません。まして、実家の辺りには、こういう風景もなく、無人駅もないのですから。
竹中駅前です。御覧のように、県道中判田犬飼線が通っていますが、商店などはなく、民家もほとんどありません。大字竹中は手前(大分駅方向)へ歩きます。奥のほうへ進むと上戸次小学校、その辺りから急に道が狭くなって、天面山、犬飼方面に行きます(但し、上戸次小学校まで1キロメートルほど離れています)。大分市に住んでいた頃、私は中戸次あたりをよくまわりました。
大分市の場合、新しい住宅地、あるいは商業施設というと、鉄道路線からかなり離れた所に作られることが多いようです。わさだタウンやパークプレイス大分が代表です。この他、にじが丘、青葉台、豊栄梅が丘ニュータウン、けやき台、宮河内ハイランド、松が丘、富士見が丘、田尻グリーンハイツなどがあげられるでしょう。大分大学の近所にある高江ニュータウンも、大分大学前駅や中判田駅に比較的近いとは言え、急な坂を登らなければなりませんし、美し野も、敷戸駅からであれば西寒多神社付近を経由して30分以上、大分大学前駅からでも20分以上かかります。
ともあれ、大分市、とくに郊外に住むのであれば、車は必需品です。私が大分市に住み始めたばかりの時、運転免許証の関係で大分南警察署へ行ったのですが、敷戸交番で道を尋ねた際に、警察官の方から「ここから遠いですよ」と言われたほどです。実際に車で走ってみたら、本当に遠かったので驚きました。最寄り駅はどこなのでしょうか。久大本線の向之原(大分市ではなく、由布市にあります)かもしれません。
そう言えば、2002年3月23日に大分大学前駅が開業するまで、大分大学の最寄り駅は敷戸でした。歩いて20分ほどかかります。その敷戸駅も昭和62年に開業しました。そうすると、昭和40年代に大分大学が現在地の大字旦野原に移転してから敷戸駅が開業するまで、最寄り駅はどこだったのでしょうか。中判田でしょうか。
由布市(大分市との境界のそば)にある大分大学医学部も、駅から遠い所にあります。学生に最寄り駅を尋ねたのですが、わからないという答えが返ってきました。久大本線の賀来からも豊後国分からも、かなりの時間を、しかも山道を歩かなければならないからです。もっとも、大分駅付近から何本もバスが出ていますから、それほど不便ではありません。
大分大学時代にはデジタルカメラなどを持っていましたが、現在ほど多く使用していないので、写真もそれほど残ってはいません。とはいえ、時々見つけ出しては、またここに載せるつもりでおります。