2024年10月16日、岡山市内で第2回芸備線再構築協議会が開催されました。朝日新聞社が2024年10月17日付で「広島・安芸高田市 芸備線再構築協に参加」(https://www.asahi.com/articles/ASSBJ4511SBJPPZB00BM.html)として報じています。
今回は、8月下旬に参加の意向を示していた安芸高田市が協議会の構成員として加わることなどが決まったとのことです(規約が改正されることになり、承認を受けました)。また、2024年度内に実施する調査事業の予算(2000万円)も承認されました。調査は野村総合研究所に委託されるようです。
この協議会において協議の対象とされているのは、芸備線の起点である備中神代駅(岡山県新見市)から備後庄原駅(広島県庄原市)までの68.5キロメートルの区間です。そのため、岡山県、広島県、新見市および庄原市が構成員に入っているのは当然です。しかし、広島県三次市と広島市も構成員となっているので、安芸高田市が不参加であったのが不思議でした。安芸高田市にある甲立駅、吉田口駅および向原駅は三次駅から下深川駅までの区間の平均通過人員は、2022年で988、2023年度で998です。微増とはなっていますが1000を下回っているので、1980年代の国鉄改革の水準であれば確実に第一次か第二次の特定地方交通線に指定され、廃止のための議論の対象になるところです(当時は路線が単位でしたので、単純な比較はできません)。
ともあれ、これからは沿線全体で協議するという体制が整えられたことになります。
また、記事には「JR西日本は、同区間の2023年度の輸送密度(1キロあたりの1日平均乗車人数)が62人で、コロナ禍だった20年度の47人と比べわずかに回復したことを報告した」と書かれています。おそらく、全国から鉄道ファンが訪れたからでしょう。YouTubeにたくさん動画がアップされているくらいですから。しかし、数値が上がったと言っても、鉄道路線として持続可能とは到底言えない水準であることに変わりはありませんし、鉄道ファンにしか見向きもされない区間であるとも言えます。芸備線の部分廃止が与える影響を算定しなければならないとは言え、存続することにどの程度の意味があるのかわからない話になっています。いかに沿線自治体が騒ごうが、住民はとうの昔に見捨てているということです。沿線自治体も、建前と本音はどうなのか、というところでしょう。
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