9月から、東急(東横線、田園都市線および世田谷線)、阪急および阪神にSDGs TRAINが走っています。私が通勤などのために利用している田園都市線にも、1編成のみですがSDGs TRAINが走っています。田園都市線は東京メトロ半蔵門線と相互直通運転を行っておりますし、その半蔵門線を経由して東武伊勢崎線・日光線とも相互直通運転を行っていますので、SDGs TRAINはこれらの路線も走ります。
準急押上行きとして二子玉川駅4番線に到着したのが、8500系の置き換え用として増備が続いている2020系の2130Fです。最近はこの2020系をよく見かけるようになりました。COVID 19のためか、8500系の引退は遅れているようですが、徐々に少なくなっていることは確かであり、見る機会が少なくなっています。
これがSDGs TRAINです。東横線を走る5050系のSDGs TRAINより派手で明るい感じがします。実は正面にもヘッドマークが付けられているのですが、田園都市線の全駅にはホームドアが設置されているので、駅で撮影するのは難しいのです。半蔵門線の神保町駅であれば楽かもしれません。
最近ではよく見かけるSDGsという言葉ですが、これはSustainable Development Goalsの略で、訳せば持続可能な開発目標となります。2015年に国際連合のサミットで決定された、2030年までに行われるべき長期的開発のための指針である「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中核となっています。
(以上については、2019年3月15日付の「SDGs(持続可能な開発目標)とは何か? 17の目標をわかりやすく解説|日本の取組事例あり」(2030 SDGsで変える Powered by 朝日新聞を参考に記しました。)
目標は全部で169もあるのですが、大きな目標は17にまとめられています。以下、大きな目標を順番に記します。
1:「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」
2:「飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する」
3:「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」
4:「すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する」
5:「ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う」
6:「すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」
7:「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」
8:「包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する」
9:「 強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る」
10:「各国内及び各国間の不平等を是正する」
11:「 包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する」
12:「 持続可能な生産消費形態を確保する」
13:「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」
14:「持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」
15:「陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する」
16:「持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する」
17:「持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する」
(以上は、日本ユニセフ協会の「持続可能な開発目標(SDGs)とターゲット」から引用しました。)
東急田園都市線でSDGs TRAINに選ばれた2020系は省エネルギーの車両です。現在では最古参になった8500系も回生ブレーキを採用するなど、電力消費の抑制を図った車両でありましたが、8090系からステンレス車体の軽量化が進み、9000系からVVVF制御を採用するなど、省エネルギー技術も進んできました。とくに5000系・5050系・5080系、6000系、7000系、2020系、6020系と、消費電力の一層の低減を進めていることからして、2020系が選ばれたのは当然のことでしょう。
また、東急と阪急は大手私鉄で東西の雄、様々な共通点があるとともに、意外なほどに縁の深い関係にあります。たとえば、阪急京都線の名車6300系の開発にあたっては、神宝線(神戸線系統と宝塚線系統の総称)と京都線とで異なっていた運転台仕様を統一するために、東急8000系で初めて採用されたワンハンドルマスコンを阪急でも採用することとなり、東急が全面的に協力したという事実もあります。6300系以後の阪急の車両は、全て、東急と同じくT型ワンハンドルマスコンです。さらに記せば、東急の五島慶太と阪急の小林一三との間の個人的な関係も興味深いところでしょう。
東急は、田園都市線および東横線については子会社の「東急パワーサプライによるJクレジットを利用したカーボン・オフセット、世田谷線については東北電力および同社グループ企業の東北自然エネルギー株式会社が保有する水力発電所および地熱発電所の電気に当該発電所由来の非化石価値を付加したCO2フリー電力を活用」しているとのことです(東急のホームページにある「本日9月8日(火)より、SDGsトレイン『美しい時代へ号』が運行を開始しました!」によります)。
なお、このSDGs TRAINは1年間走る予定であるとのことです。2020年9月から運行されていますから、2021年9月上旬までは見られるでしょう。世田谷線のSDGs TRAINは300系の307F(紫色の車体)であるとのことで、これは三軒茶屋駅に行けば見られるでしょう。上町駅まで行って車庫に入っている姿でもよいのです。
本当は大阪で阪急と阪神のSDGs TRAINも生で見たいところです。しかし、COVID 19のために難しいところです。
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