ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

今はなき「子ほめ条例」(1)

2017年09月13日 00時38分40秒 | 法律学

 私がまだ大分大学教育福祉科学部の講師であった2000(平成12)年に、大分県日田郡前津江村で興味深い条例が制定されました。2005年3月、前津江村は日田市に併合され、それとともに条例も廃止されてしまいました。そこで、条例の全文を紹介します。なお、公布番号がわからないため、「?」としています。

 

 

日田郡前津江村児童生徒表彰に関する条例

(平成12年10月1日条例?号)

 

(目的)

第一条 この条例は、前津江村の児童生徒の優れた個性や能力、社会性を発見し、これを表彰することによって、心身共に健全な児童生徒を地域ぐるみで育てることを目的とする。

 

(学校、地域の責務)

第二条 小中学校長及び地域住民は、学校教育並びに日常の生活の中で次の各号の一に該当する児童生徒を被表彰候補者として前津江村教育委員会(以下「教育委員会」という。)に上申するものとする。

 一、奉仕賞 学校または社会に奉仕している者

 二、健康賞 基本的な生活習慣を守り、心身の健康に努力している者

 三、親切賞 人に親切な行いをしている者

 四、学芸賞 学業または文化、芸術に努力している者

 五、体育賞 スポーツに優れている者

 六、努力賞 学校及び社会生活で著しく努力している者

 七、創造賞 いろいろな事柄に創意工夫している者

 八、勤労賞 勤労を尊び、学校、地域づくりに努力している者

 九、読書賞 平素からよく本を読んでいる者

 十、友情賞 友達のことを考え、仲間づくりに努めている者

 十一、明朗賞 態度がいつも明るく、よく挨拶する者

 十二、その他 一号から十一号以外で表彰に値する者

 

(表彰)

第三条 村長は、教育委員会の内申に基づき、被表彰者を決定し年度末に表彰する。

2 被表彰者には、賞状とメダルを贈る。

3 第一項の表彰は、小学校または中学校の教育年限において、小学生は一人三回、中学生一人一回を限度とする。ただし、特別の事情のある場合及び高校生はこの限りでない。

 

(学校、地域及び関係団体の協力)

第四条 この条例の目的を達成するため、家庭、学校、地域及び関係団体は連携して万全の対策を図るよう努めなければならない。

 

(委任)

第五条 この条例施行に関し、必要な事項は別に教育委員会が定める。

 

  附 則

 この条例は、公布の日から施行する。

 

(注:平成12年10月より施行。なお、別紙様式は省略)

付記:条例の原文は縦書きです。本条例および規則は、日田郡前津江村教育委員会から、関係資料とともにお送りいただいたものです。この場を借りて、当時の関係者の方々に、改めて御礼を申し上げます。


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