古典落語を旅する 井戸の茶碗

2014年12月20日 | 徒然
「井戸の茶碗」は、講談「細川茶碗屋敷の由来」を基にした噺で
登場人物が全員正直者の善人という人情噺。

屑屋の正直清兵衛が清正公さんの脇道を商いで歩いていると
浪人千代田卜斎に呼び止められ仏像を引き取ることになる。
そのあと、細川家の屋敷の長屋の下を歩いていると
勤番の高木佐久左衛門にその仏像を売ってくれと言われる。

この3人の正直っぷりが巻き起こす
心暖まるハートフルコメディが「井戸の茶碗」。

舞台となっているのは
都営地下鉄三田線と東京メトロ南北線の白金高輪駅周辺。

清正公は白金台一丁目にある最正山覺林寺が正式名称の日蓮宗の寺院で
加藤清正公を祀っていることから清正公さんの名で親しまれている。
白金高輪駅も、三田線延伸計画時代には「清正公前」が駅の仮称になっていた。

対する細川家の屋敷は現在の国道1号線を挟んだ反対側
高輪一丁目にあって現在でも史跡が遺されている。


画面左側に細川家下屋敷があった。
清正公さんは画面右奥にある。


魚藍坂周辺の地図にも細川家の史跡が記載されている

なお、細川屋敷跡地の「高松中学校」は
昭和24年に高松宮邸の敷地だった場所に建てられたことが校名由来の
由緒正しき公立中学校である。
細川とか清正公の名を用いなかったことに
高松宮さまが地域でも大層慕われていたことがうかがえる。
コメント
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