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Gibson USA Les Paul Studio WR/CH ゲット!! Part III

2018年11月20日 | MUSIC

 Gibson USA Les Paul Studio WR/CH を①中古をゲットして、②楽器屋さんに裏切られて、傷なし美品の触れ込みに反し、めっちゃあった傷を磨いてきれいにしたという話を2回にわたってしてやってきましたが、やっと本題の音の話題です。

  ギターの話になるとつい薀蓄が長くてどうもいけません。

 ところで、Gibson のギターは、シリアル番号から、けっこう細かい出自が分かるようになっています。

 検索サイトもあります。  

 これで、調べてみると、

 

Your guitar was made at the Nashville Plant, TN, USA
on July 9th, 2012

このギターは、アメリカ合衆国、テネシー州、ナッシュビル の工場で

2012年の7月9日(月)に製造されたことが分かります。そして、付属の検品リストから7月23日(月)に検品されて出荷されたとなっています。


Where Legends Are Born: Inside the Gibson USA Factory

AMS Gibson Nashville Guitar Factory Tour - Gibson USA

 この製作工程を見ると、1枚板をくりぬくだけの、Fender Storat Caster より作業工程(マホガニーのボディーにカーブをつけたメイプルを貼る、バインディング装飾を施す、角度のあるセットネックの取り付け等)が多くて、全体的に製品の価格が高い理由がうなづけます。

 Gobson は、多角経営の不振がたたり、5億ドル(約560億円)の負債によって経営が立ち行かなくなり、今年の5月に破産申請を申し立てたんですよね。
 日本の民事再生法のような建て直しを目的とした法律のようで、10月に新CEO(ジーンズ大手リーバイスのブランド責任者だそうです)も就任し、原点に帰って、当初の目標はギターとフレット楽器の製造での成功を確実にしていくそうですから、Gibson のギターは無くならないようです。

 せっかく、Gibson のギターのオーナーになったんですから、頑張ってもらいたいものです。 


 さて、Les Paul Studio は、Gibson のアナウンスによれば、音やプレイアビリティはまさしく Les Paul Standard ないし Les Paul traditional と同じだとの触れ込みです。

 それは、マテリアルやピックアップなど同等なものを使用しているからだとされています(もちろん板などの材質は落としてあるので、廉価になっています)。

 そこで、同じ弾き心地で、同じ音がでるという Les Paul Studio というギターの仕様を見ていきます。

 まずボディー材は les Paul model の伝統である、マホガニー材の表面にメイプル貼りです。


◆BODY

Top: Maple
Back :Mahogany
Body Type :Modern Weight Relief

 ボディーの特徴は、2012年、まさに今回の個体から Les Paul Standard 等に採用された、“modern weight relief” 構造です。

 重すぎると敬遠される Les Paul ですが、1980年代初頭から取り入れられているのが、ボディの肉抜き加工です。2008モデル以来、ボディ内部を完全にくり抜いたチャンバード(Chanmbered)構造で3kg台前半となっていました。しかし、ギターのボリュームとゲインを上げて、演奏しているプレイヤーの中には、共鳴しすぎとの評判があったために、ブリッジとピックアップの周りの音材の量を維持しながら、重量軽減を達成するために、2012年モデルから、マホガニーのボディの内側に複数の小さな楕円形の音室をあける“modern weight relief”方式に変更しました。

 因みに、今回購入した Les Paul Studio は、3.9kgでした。

   2017年から更に、穴の大きさを広げた、Ultra modern weight relief を採用しているとのことです。

 

◆Neck
Species: Mahogany
Profile:Slim, Fast ’60s-Style
Truss Rod :Traditional Adjustable
Joint Angle :5° (+/- 15 seconds)

 ネック裏の頂点を6弦側に若干ずらしたアシンメトリカル(左右非対称)ネックを採用。6弦側を太めにし、1弦側を薄く仕上げることで親指以外の4本の指を指板に置き易くなり、また、親指側も握り込みやすく、演奏性を向上させる形してあります。さらに、2012モデルでは、シンメトリカルネックをベースとしながらも、全体を薄く仕上げ、握り込みやすい薄めな”1960 Slim Taper”により、プレイアビリティを高め、かつ、立ち上がりの良い、タイトなサウンドを目指したといいます。

 

◆Headstock
Logo: Gold "Gibson" Logo and Scripted "Les Paul Model" Silkscreen
Truss Rod Cover :Black and White Antique Bell with "Studio" Engraved

 ロゴはインレイ(白蝶貝)ではなく、シルクスクリーンのゴールドロゴです。ここが廉価版の証ですね。ここは、工芸品としての自己満足の部類で、音には影響しないでしょう。


◆Tuners
Model :TonePros™ Kluson Vntage Style
Tuning :Ratio 16:1
Plating Chrome

 

 チューナーは、2019年モデルでは、Grover製 Rotomatics の Kidney Buttons(インゲン豆型ボタン)を使用していますが、2012年モデルは、クラシックスタイルの TonePros製 Kluson型 グリーンキイ・チューナーです。形からチューリップ・ボタンと言われています。

 このクラシック感が Gibson らしくて、わざわざ中古を求めた理由の1つになっています(ロック式のRotomaticチューナーの方が面倒がなくて、チューニングも安定しているようですが)。

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◆Pickups
Neck Position: Coil-tapped 490R(Alnico II)
Bridge Position :Coil-tapped 498T(Alnico V)


 ピックアップは、Standerd の「 BurstBucker Pro」と異なり”モダンクラシック”を提唱する490R/498Tの構成。中高域の出力が強調され、アタックの立ち上がりの速さが特徴的な”490R”をフロントに、ミッド・レンジを更に膨らませたトーンキャラクターにアタックの立ち上りも兼ね備えた”498T”をリアに搭載しています。 

 490R/498Tは、57 Classic(1957年、ギブソンから初めてハムバッカー・ピックアップ(P.A.F.)が登場した時の音の再現をイメージとしたピックアップ)をベースに、モダンな味付けを行ったピックアップ。

 フロント490Rはアルニコ2、リア用の498Tのほうがアルニコ5を使用して高出力でメタルにも対応できる(これを”モダンクラシック”といっているのでしょう)。

 では、、Burstbucker Pro と 490R/498T とでは、どれくらい音の違いが出るのでしょうか。検証画像がYoutubeに上がっています。

Gibson 490R/498T vs Burstbucker Pros - Les Paul Studio

  個人的には、Burstbucker Pro は、軽い(クリア?)明るい音がしますね。これに対して、490R/498T は、57 Classic を手本としたと言われるとおり、明るさの中にも枯れた音がする感じですね。ただ、コイルタップしてシングルにしたときに、490R/498T は、ちょっと音が痩せる感じがします(後述のとおり対策は取られているのですが)。

 まあ、シングルコイルの音が出したいときには、Fender を弾けばいいんですからあんまり関係ないですね。

 どっちにしても、Les Paul の音には違いないですね。う~ん味のあるいい音がします。


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◆Fingerboard
Species :Granadillo
Frets:22
Radius:12"
Scale Length: 24.75"
Nut/E.O.B: 1.695"/2.260"
Inlays :Figured Acrylic Trapezoid

 指版はローズウッドではなく、代替品のGranadillo( グラナディーロ)となっています。現在では、再びローズウッドに戻っています(グラナディーロをローズウッドと言い張っているのではとのうわさも)。

  これは、2011年のGibson事件(マダガスカルからエボニー(黒檀)とインドからのローズウッドを、海外の木材を輸出する会社を通じて、Gibsonが木材を輸入したところ、実はその木材は、アメリカ国内の絶滅危惧種の取引を規制したレーシー法(Lacey Act)に違反して伐採されたもので、ギブソンが輸入しようとした木材が没収され、違反金(合計$350,000)を支払うことになったもの)により、ローズウッドの確保が困難になり、代替品に移行した最初の年の製品なのです。

 Granadillo( グラナディーロ)はローズウッド同様マメ科の広葉樹。中米産ココボロやブラジル産ハカランダに近い。ローズ同様比較的固めの音質ながらエボニーほどではなく、中域をピークとしながら全帯域がしっかり鳴ると言われています。

gibson news know youre fingerboads  

 Granadillo は、個体によっては、すごく明るい色をしたものがあり、この点、当時のGibsonを買って落胆した人もいたようですが、今回購入した個体は、素人目に見て、色も木目もローズウッドと見分けがつきません。

   明るい色をしたGranadilloのLes Paul Studio

  この点今回購入した楽器屋さんもFingerboadはローズウッドだと表示していましたから、楽器屋さんにも区別はつかなかったのでしょう。とにかく、O茶の水 S倉楽器さんは、目立つ傷がないといったり、いい加減な楽器屋さんだなぁ...。

 

RoseWood

 ナットはCorian(デュポン社の人造大理石)。ギブソンは、2005年からPlek Proテクノロジーを使用し、ナットをカットしています(現在では、大手はどこでも取り入れているようです)。Plekテクノロジー(ギターのフレット周りの加工を最終的に仕上げることのできる、コンピューター制御されたシステム。先ずフレットの状態をスキャンし、自動的にフレットを削りながら仕上げ、次に、ナット端での理想的な弦間隔や、フレットの高さに関係する理想的なナット溝の深さや、指板端のプロファイル(形状)などを計算にいれながらナットの溝を掘り下げる。)を使ってギターをセットアップし、ナットをカットします。

 

◆Bridge
Type:Tune-o-matic
Plating: Chrome 

◆Tailpiece
Type: Stop Bar
Plating: Chrome

 

  ブリッジには、弦の張力で各パーツと支柱が固定するナッシュビル・チューン・O・マチック(TOM)を採用。

  マテリアルは、明らかではありませんが、同年代の他の機種から見て、ザマック(Zamak)とも呼ばれる合金にクロームメッキだろうと思われます。亜鉛に約4%のアルミニウムと,少量の銅,微量のマグネシウムを添加したものだそうです。

 現在のモデルは鳴りがいいとされるアルミニウムでできています。

 

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◆Electronics
Potentiometers :2 Push/Pull Volume Controls 2 Tone Controls
Type 500k Linear Volume, 500k Non-linear Tone Coil Wiring Machine Wound
Toggle Switch: Three-way Switchcraft with Cream Plastic Tip (Black Tip on Ebony and Silver Pearl)
Output Jack: Traditional 1/4"


 ノブは、トラディショナルと同型のスピード・ノブと呼ばれるゴールドの円柱タイプが付けられています。 

 まさに、この2012モデルから、新たにハムバッカーピックアップのタップ機能が搭載されています。各ボリューム・ノブをPULLするとピックアップがシングル・コイルへ切り替わる仕組みです。

 ただ、ハムバッカーを普通にタップしただけではコイルの巻き数がフェンダー系シングルには及ばず、どうしてもイメージしているシングルトーンよりスカッとしてしまいます。
 そこで、今回の新回路では、コイルタップすると、周波数同調コイルタップ(frequency tuned coil tap)にアクセスして、シングルコイルトーンをファットにし、出力バランスを改善し、その差を感じさせないピュアなシングルトーンを生み出すという工夫をしています。

 

 では、最終的に、Standard と Studioの音を比べてみた動画を見てみましょう。

Standard VS Studio | which is the better Les Paul  

 コメントをみると、「Standard の勝ち」と言っている人もいるようですが、私の耳と、うちのオーディオシステムでは、区別がつきません。

 ギターは工芸品でもあるので、見栄えが音に大きく影響するところもあるのではないのでしょうか。その点、安価な Faded (艶消し)ではなく、グロスの Studio を、あえて中古を探して購入したのは正解だったのではないかと思います。






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