世界一周タビスト、かじえいせいの『旅が人生の大切なことを教えてくれた』 

世界一周、2度の離婚、事業の失敗、大地震を乗り越え、コロナ禍でもしぶとく生き抜く『老春時代』の処世術

母の日

2008年05月12日 | 人生
お袋の下着を洗濯して干しながら、想った。

後期高齢者と呼ばれる79歳、老人保健施設で暮らしている。


すっかり気概をなくしたその母の姿が目に浮かぶ。

人はこうして皆歳をとって、一歩一歩死に近づいていくのだナー、って。

空しい感情を覚える。



思えば、ずいぶん苦労を掛けてきた。

記憶がボクの目頭を熱くする。



ボクが小学生のころ、両親は一度離婚した。

それから、母はボクを残して、単身上京して行った。

母は母なりに、そのときも一度青春や恋を見つけたかったのだろう。


母はその負い目をズット引きずって生きてきたのかもしれない。

父が死んで、一人になった母は 「死にたい」 と漏らしたこともある。

ある新興宗教にのめり込んでしまったこともある。


老いた今、車椅子の上でその負い目まで抱え込んでしまっているかのようだ。

今は、その言葉さえ吐く気力もない。

ジッとそのときがくるのを待っているかのように。



ボクの三人の子供たちも、親の背中をジッと見つめているのだろう。

模範になろうとは想わない。 また、なり得ない。

上の娘は、もうすぐ母になる。


自分を信じ、人の道に悖(もと)らない生き方をして欲しい。